建物を支える縁の下の力持ち:ブレース
建物は、地震や強風など、さまざまな外力に耐える強さが必要です。中でも横からの力に対する強さは、建物の安全性を確保する上で特に重要です。そこで活躍するのが「ブレース」です。ブレースとは、建物を横からの力から守るための構造部材で、主に鉄骨造の建物で使用されます。
ブレースは、鉄筋やアングルなどの型鋼でできており、建物の骨組みに組み込まれます。木造建築で使われる「筋交い」と似た役割を担っていますが、ブレースは鉄骨造で使われる点が異なります。鉄骨造の建物は、柱と梁で構成された軸組が基本構造です。この軸組をより頑丈にするために、ブレースが対角線状に配置されます。
ブレースの主な役割は、横からの力に抵抗することです。地震や強風などで横からの力が加わると、建物は変形しようとします。この時、ブレースが引張力を発揮することで、変形を防ぎ、建物の安定性を保ちます。
ブレースは、建物の壁の中などに隠れており、普段は目にする機会は少ないかもしれません。しかし、縁の下の力持ちとして建物の安全を支える重要な部材です。建物の設計段階で、必要な強度に応じてブレースの種類や配置が決められます。建物の安全性を確保するために、ブレースはなくてはならない存在と言えるでしょう。