床に隠すドアの仕掛け:フロアヒンジ
扉の開閉は、毎日の暮らしの中で何度も繰り返される動作です。そのスムーズさを確保するために、床に埋め込まれた装置であるフロアヒンジが重要な役割を果たします。まるで蝶番のように、扉を支える軸となるのがこのフロアヒンジです。
フロアヒンジは、扉を自動で閉める機能も備えています。扉を開けた後、自然とゆっくりと元の位置に戻るように調整されているため、閉め忘れを防ぎ、防犯対策にも繋がります。また、勢いよく閉まることによる騒音や、壁への衝突を防ぎ、建物を守る役割も担っています。
扉の上部に設置する装置とは異なり、フロアヒンジは床に埋め込まれているため、装置の存在が目立たず、扉周りの見た目がすっきりとする点が大きな特徴です。扉のデザインを損なうことなく、空間全体の美観を向上させる効果があります。
フロアヒンジは、扉の開閉を滑らかにするだけでなく、扉の開閉角度を調整できるものもあります。例えば、お店などで扉を大きく開け放ちたい場合や、逆に、風の強い日などに扉の開き過ぎを制限したい場合に便利です。
このように、フロアヒンジは、建物の安全性や美観、そして使い勝手を向上させる、まさに縁の下の力持ちと言えるでしょう。新築や改築の際には、設置を検討してみる価値のある装置です。