美しい床材:テラゾーの魅力
テラゾーとは、砕いた石やガラスのかけらなどを、セメントや樹脂といった材料で固めて磨き上げた、人工の石材です。色とりどりの石やガラスを使うことで、様々な模様や色合いを表現できるのが特徴です。その歴史は古く、今から500年以上前のルネサンス期に、イタリアのベネチアで生まれました。
当時、大理石は大変貴重な材料でした。そこで、職人が大理石の使われなかった部分を集めて床材を作ったのが、テラゾーの始まりと言われています。高価な大理石の代わりに用いられたテラゾーは、耐久性にも優れており、長い間、人々に愛用されてきました。
テラゾーの材料として使われるのは、大理石の破片だけではありません。ガラスの破片や貝殻、金属片なども混ぜ込むことで、さらに個性的なデザインを作り出すことができます。
近年では、セメントではなく樹脂を使ってテラゾーを作る技術も生まれました。樹脂を使うことで、より鮮やかな色を出したり、複雑な模様を描いたりすることができるようになりました。
かつては、大理石の代用品として使われていたテラゾーですが、今ではその独特の風合いと耐久性の高さが見直され、高級な建材として人気を集めています。住宅はもちろん、お店や公共の建物など、様々な場所でテラゾーを見かけるようになりました。その美しい模様は、訪れる人々に特別な空間を演出してくれます。