ツインコリダー:住まいの快適性を高める設計
二列廊下構造、またの名をツインコリダーとは、二列に並んだ廊下と、その中央に吹き抜けのような空間を設けた建物の構造のことを指します。廊下は英語でコリドーと言い、ツインコリダーでは二つの廊下を渡り廊下で繋いでいます。この構造は、主に高層の集合住宅で用いられています。
全ての住戸が一つの廊下に面する片廊下形式とは異なり、ツインコリダーでは二つの独立した廊下に沿って部屋が配置されます。そのため、片廊下形式に比べて、風通しや換気の面で優れています。中央の吹き抜け空間が、空気の通り道となり、各住戸への効率的な換気を促します。また、この吹き抜け空間は光庭としても機能し、自然光を多く取り込むことが可能です。それにより、明るく開放的な住空間を実現できるという利点もあります。
高層住宅では、各住戸の玄関前にプライバシー保護のためのポーチを設けることがあります。ツインコリダー構造では二列の廊下があるため、ポーチを設置しても共用廊下の幅員を確保しやすいという利点もあります。ゆとりある共用廊下は、居住者の安全性と快適性を向上させます。
さらに、二つの廊下を繋ぐ渡り廊下は、非常時の避難経路としても重要な役割を果たします。一つしかない廊下で火災などが発生した場合、避難経路が塞がれてしまう危険性がありますが、ツインコリダーではもう一方の廊下を経由して安全に避難できます。これは、高層建築物において特に重要な安全対策となります。このように、ツインコリダーは居住性と安全性を両立させた優れた構造と言えるでしょう。