サステナブル

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工法

コンバージョンで建物を再生

コンバージョンとは、建物を新しく建て直したり、一度すべて壊したりすることなく、その建物の用途を変えることを言います。建物の骨組みとなる柱や梁といった主要な構造部分はそのまま残し、壁や内装、設備といったその他の部分を撤去・変更することで、大規模な模様替えを行います。このようにして、建物に新たな価値を与え、別の用途に生まれ変わらせるのです。 例えば、かつてオフィスとして使われていたビルを、住居として使えるマンションに作り変えたり、使われなくなった学校を地域の人々が集えるコミュニティ施設にしたりといったことが、コンバージョンの事例として挙げられます。他にも、古い工場を商業施設にしたり、倉庫を集合住宅にしたりと、様々な用途変更が可能です。 コンバージョンは、建物の使える部分を最大限に活用するという点で大きなメリットがあります。新しく建物を建てるよりも費用を抑えることができ、工事期間も短縮できます。また、解体による廃棄物を減らせるため、環境への負荷を軽減できるという点も、近年注目されている理由の一つです。さらに、既存の建物の外観や雰囲気を活かすことで、地域の歴史や文化を継承することにも繋がります。 一方で、既存の建物の構造によっては、希望する用途への変更が難しい場合もあります。また、建物の状態によっては、想定外の補修工事が必要になり、費用や工期が当初の見込みより増える可能性も考慮しなければなりません。コンバージョンを行う際は、専門家とよく相談し、建物の状態をしっかりと確認することが大切です。
建材

建築資材のリサイクル:未来への一歩

建築業界では、多くの廃棄物が発生します。これまで、これらの廃棄物は埋め立て処分されることが一般的でしたが、環境への負荷を軽減するため、資源を有効活用する意識が高まっています。廃棄物を資源として再利用するリサイクル材は、そのための重要な手段の一つです。 リサイクル材とは、不要になった建築資材を原材料として再利用した建材のことです。例えば、工場から出る廃棄物を細かく砕き、接着剤などを混ぜて壁材に生まれ変わらせることができます。また、古くなった瓦やガラスを砕いて色付けし、美しいタイルに作り替えることも可能です。他にも、木材を細かく砕いて板状に成型し、新しい建材として利用するなど、様々な方法でリサイクルされています。 リサイクル材を活用することで、廃棄物の量を大幅に減らすことができます。これは埋め立て処分場の逼迫を防ぐだけでなく、焼却処分に伴う二酸化炭素の排出量を削減することにも繋がります。また、新たな資源を採取する必要性が減るため、天然資源の枯渇を防ぎ、環境への負荷を低減することに大きく貢献します。 さらに、リサイクル材を用いて建てられた建物は、解体時に再びリサイクルできる可能性が高まります。これは、建物のライフサイクル全体で環境負荷を低減することに繋がり、持続可能な建築物を実現するための重要な要素となります。資源を大切に使い、循環させることで、未来の世代に美しい地球を残すことに貢献できるのです。
工法

自然素材で快適な暮らし 無添加リフォーム

無添加リフォームとは、自然素材本来の持ち味を活かし、健康に優しい住まいを実現するリフォームのことです。木、紙、土、石といった自然の恵みをそのまま、あるいは化学薬品を使わずに丁寧に加工した材料を使用することで、人に優しい、温もりある空間を作り上げます。 かつて日本の家づくりでは、木材や土壁など、自然素材が中心でした。しかし、時代と共に利便性やコストが重視されるようになり、新建材と呼ばれる様々な工業製品が住宅建材として広く使われるようになりました。これらの中には、塗料や接着剤に含まれるトルエンやキシレンといった有機溶剤、ビニールクロスの可塑剤、合板に用いられる防腐剤、畳の防虫剤など、様々な化学物質が含まれています。これらの化学物質は、目には見えないものの、空気中に揮発し、シックハウス症候群やアレルギーの原因となるなど、私たちの健康に悪影響を与える可能性があることが指摘されています。 無添加リフォームは、こうした化学物質を含む建材を避け、自然素材を中心とした建材を使用することで、健康的な住環境を実現します。例えば、壁材には珪藻土や漆喰、床材には無垢材、断熱材には羊毛やセルロースファイバーなどを使用します。これらの材料は、化学物質をほとんど含まないだけでなく、調湿効果や断熱効果、消臭効果など、自然素材ならではの優れた機能も備えています。 無添加リフォームは、小さなお子さんやアレルギーをお持ちの方、化学物質過敏症の方にも安心の住まいとなります。また、自然素材は年月と共に味わいを増し、経年変化を楽しむことができます。住む人の健康と心地よさを追求した、持続可能な家づくりと言えるでしょう。
エコ

太陽の恵みで快適に暮らすパッシブソーラー

近年、電気代やガス代といった光熱費の高騰、地球温暖化などの環境問題に対する意識の高まりから、住まいにおけるエネルギーの節約に関心が集まっています。この流れの中で、太陽の光や熱を活かした家づくりが注目されています。 太陽の熱を有効に使う家づくりは、特別な装置を使わずに、太陽の恵みを最大限に活かし、心地よい室内環境を実現する設計手法です。これを「受動的な太陽熱利用」とも呼びます。 冬の寒い時期には、太陽の熱を取り込んで家を暖め、夏の暑い時期には、太陽の熱を遮り、涼しく過ごす工夫が凝らされています。 太陽の熱をうまく利用することで、冬は暖房費を節約し、夏は冷房費を抑えることができ、年間を通して光熱費を大幅に削減できます。また、エネルギーの消費を抑えることで、二酸化炭素の排出量削減にもつながり、環境保全にも貢献します。 この設計手法は、太陽の動きを計算し、家の向きや窓の位置、断熱材の種類などを工夫することで、太陽の熱を最大限に活用できるように設計します。例えば、南向きの大きな窓を設置することで、冬の日差しを室内に取り込み、太陽熱で部屋を暖めることができます。また、夏の強い日差しを遮るために、庇(ひさし)や簾(すだれ)などを設置することも有効です。 さらに、断熱材を適切に施工することで、冬は室内の熱を逃がさず、夏は外の熱を室内に入りにくくし、一年を通して快適な室温を保つことができます。壁や屋根、床などに断熱材をしっかりと入れることで、冷暖房の効果を高め、エネルギー消費量をさらに抑えることができます。 この手法は、新築だけでなく、リフォームでも取り入れることができます。窓の断熱性を高めたり、庇や簾を設置するだけでも効果があります。 次の章では、この手法の仕組みやメリット、導入する際の注意点などについて、さらに詳しく解説していきます。
エコ

環境に優しいバイオマス燃料で快適な暮らし

バイオマス燃料とは、動物や植物といった生物資源(バイオマス)を原料とする燃料のことです。樹木や、家畜の糞尿、食べ物の残りかす、稲わらなど、様々な資源を原料としています。これらの資源は、私たちの生活の中で繰り返し発生するため、枯渇する心配のない再生可能な資源です。石油や石炭のような化石燃料とは異なり、環境への負担が少ないエネルギー源として注目を集めています。 バイオマス燃料は、燃やすことで熱や電気を作り出すことができます。家庭用のストーブやボイラーで利用されるほか、発電所で大規模に活用されることもあります。最近では、ガソリンに混ぜて自動車の燃料として利用する取り組みも広がってきています。バイオマス燃料の利用範囲は、家庭から産業まで幅広く、私たちの暮らしを支える重要なエネルギー源となっています。 バイオマス燃料を使うメリットは、地球温暖化対策に役立つことです。植物は成長過程で空気中の二酸化炭素を吸収します。バイオマス燃料として利用する際にも二酸化炭素は排出されますが、これは植物が成長過程で吸収した二酸化炭素であるため、大気中の二酸化炭素の量を増加させることにはなりません。つまり、二酸化炭素の排出量を実質的に増やさない、環境に優しいエネルギーと言えるのです。また、資源を有効活用できることも大きなメリットです。これまで廃棄されていた、家畜の排泄物や食べ物の残りかすなどをエネルギーとして利用することで、ゴミの量を減らし、資源を無駄なく活用することができます。 このように、バイオマス燃料は再生可能で環境への負担が少ない、持続可能な社会の実現に欠かせない燃料です。地球環境問題への意識が高まる現代において、バイオマス燃料の利用は今後ますます重要になってくるでしょう。私たちの暮らしを支えるエネルギー源として、その役割に大きな期待が寄せられています。
建材

間伐材でエコな家造りを

森林は、私たちの暮らしに欠かせない資源であり、地球環境を守る大切な役割を担っています。その森林を健全に保つために欠かせない作業の一つが「間伐」です。間伐とは、密集した木々を間引く作業のことで、残された木々がより大きく、より強く育つように行われます。この間伐作業で伐採された木材が「間伐材」です。 間伐材は、直径が10センチメートルから20センチメートルほどの比較的小さなものが多く、住宅の柱や梁といった主要な構造材として用いるには強度が足りない場合が多いです。しかし、決して無駄になることはありません。間伐材は、私たちの生活の様々な場面で活用されています。例えば、毎日使う割り箸や鉛筆、食品などを運ぶ木箱、庭の手入れに使うガーデニング資材などに利用されています。また、紙の原料となるパルプや、再生可能エネルギーとして注目されるバイオマス燃料の原料にもなります。 近年では、地球環境への意識の高まりとともに、間伐材の新たな用途も広がっています。木材本来の温かみや自然な風合いを生かして、内装材や家具の一部として利用する事例が増えています。間伐材を利用することは、森林の保全につながり、ひいては地球環境の保護にも貢献します。また、間伐材の活用は林業従事者の収入源の確保にもつながり、地域経済の活性化にも重要な役割を果たします。間伐材を選ぶことは、持続可能な社会の実現に向けて、私たちが日常生活でできる大切な行動の一つと言えるでしょう。