キャビネット図

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設計

キャビネット図:家具デザインの基礎知識

収納家具などの箱型の家具を描くのに特化した図面を、キャビネット図と呼びます。この図面は、正面図と側面図を組み合わせた独特の描き方をしています。正面は、実際に家具を見た時と同じ形で描かれますので、扉のデザインや取っ手の位置などが分かりやすい形になっています。側面は奥行き方向に45度傾けて描くのが特徴です。このように描くことで、正面と側面を一つの図面で見ることができ、家具全体の立体的な形を捉えやすくなります。 たとえば、食器棚を例に考えてみましょう。正面図では、扉の大きさや配置、棚板の枚数が分かります。キャビネット図では、それに加えて、側面図によって食器棚の奥行きや全体の高さも一度に把握できます。複雑な透視図法で描くよりもシンプルなので、立体的な形を把握しやすいという利点があります。 また、キャビネット図は手描きでも比較的簡単に描くことができるため、設計の初期段階でアイデアを練ったり、現場で職人とすぐに情報を共有したりする際に役立ちます。家具のデザインを考える際、色々な角度から検討したい時などにも、手軽に描くことができるので便利です。もちろん、図面に寸法を記入すれば、製作図としても活用できます。家具職人にとって、キャビネット図は、デザインから製作まで、あらゆる段階で活用できる重要な図面と言えるでしょう。このように、キャビネット図は、箱型の家具を分かりやすく表現し、製作に役立つことから、家具業界で広く使われています。