FRP:浴室に革命を起こした素材
繊維強化プラスチック、略してFRPは、ガラス繊維などの強化材となる繊維とプラスチックを組み合わせた複合材料です。軽くて丈夫という優れた特徴を持っています。例えるなら、鉄筋コンクリートのように、鉄筋がガラス繊維、コンクリートがプラスチックの役割を果たしていると考えていただくと分かりやすいでしょう。FRPは薄くて軽いのに、非常に強いため、様々な場所で利用されています。
特に水回りでは、その力を発揮します。水を通さない性質と、腐食しにくい耐久性から、お風呂の浴槽や洗面台、マンションなどの屋上に設置される高架水槽、そして生活排水をきれいにする浄化槽など、様々な箇所に用いられています。以前は、お風呂といえば陶磁器やホーローが主流でしたが、FRPの登場は、水回りの製品に大きな変化をもたらしました。
FRP製の浴槽は、軽くて運びやすいので、設置工事も簡単です。そのため、工事にかかる時間や費用を大幅に減らすことができました。また、FRPは自由自在に形を変えることができます。様々な色をつけることも容易なため、デザインの可能性を広げ、個性的なお風呂作りを叶えてくれます。曲線を描く美しい浴槽や、鮮やかな色の洗面台なども、FRPだからこそ実現できるのです。
さらに、FRPは繰り返し再生利用できる材料です。環境への負担が少ないため、地球環境を守る上でも大変注目されています。このように、FRPは優れた特性を持つ材料として、私たちの生活を支えているのです。