
オイルフィニッシュの魅力:自然な風合いを楽しむ
オイル仕上げとは、木材に油を染み込ませて仕上げる塗装方法です。塗料のように表面に膜を作るのではなく、油が木材内部に浸透することで、木材本来の持ち味を生かした自然な仕上がりになります。表面に膜を作らないため、木の呼吸を妨げることがなく、湿気を調整する効果も保てます。また、時間の流れとともに色合いや艶が変化していく様子も楽しむことができ、使い込むほどに愛着が湧く塗装方法として人気を集めています。
オイル仕上げに使う油は、木材の種類や用途に合わせて様々です。亜麻仁油や桐油といった乾きやすい油が一般的で、それぞれ乾くまでの時間や仕上がりの印象に違いがあります。油の種類によって耐久性や水への強さも変わるため、家具の用途や置く場所に合った適切な油を選ぶことが大切です。
施工する際には、油を薄く伸ばし、余分な油を拭き取る作業を繰り返すことで、ムラなく美しく仕上げることができます。仕上げに使う油は、乾性油の中でも特に亜麻仁油と桐油が広く使われています。亜麻仁油は乾くのが遅く、仕上がりはしっとりとした落ち着いた雰囲気になります。一方、桐油は乾くのが早く、仕上がりはさらっとした明るい雰囲気になります。
オイル仕上げは、初心者でも比較的簡単に施工できる塗装方法ですが、仕上がりの美しさは職人の腕によって大きく左右されます。木材の種類や油の種類、そして施工方法によって仕上がりの風合いが大きく変わるため、経験豊富な職人に頼むことで、より理想的な仕上がりを実現できます。木材と油の相性を見極め、適切な油を選び、丁寧に塗り重ねることで、唯一無二の美しい風合いが生まれます。近年では、環境への配慮が高まる中で、自然素材である油を使ったオイル仕上げが見直されています。木の温もりと自然の風合いを生かしたオイル仕上げは、家具や建具に深みと味わいを加え、長く愛される一品へと導きます。