張り天井:快適な空間を演出する技

張り天井:快適な空間を演出する技

リフォームを知りたい

先生、『張り天』ってどういう意味ですか?リフォーム番組でよく聞くんですけど、よく分からなくて。

リフォーム研究家

ああ、張り天ね。天井の仕上げ方の一種だよ。簡単に言うと、天井に板を貼って仕上げる方法のことだ。天井の下地を格子状に組んで、そこに板を貼っていくんだ。

リフォームを知りたい

板を貼るだけなら、他の天井の作り方と何が違うんですか?

リフォーム研究家

いい質問だね。張り天は、板を貼る前の下地がポイントなんだ。格子状に組むことで、天井が平らになりやすい。だから、仕上がりが綺麗に見えるし、クロスや化粧板など色々な材料で仕上げることができるんだよ。

張り天とは。

天井の仕上げ方の一つである『張り天井』について説明します。張り天井は、板などを貼って天井を仕上げる方法です。天井板を支えるために、まず木材を格子状に組んで平らな下地を作ります。この下地に石膏ボードなどを貼り、さらにその上に壁紙を貼ったり、化粧板を貼ったりして仕上げます。

張り天井とは

張り天井とは

天井仕上げには様々な工法がありますが、その中でも広く使われているのが張り天井です。住宅からオフィスビルまで、様々な建物で見かけることができます。張り天井とは、天井板を直接躯体に固定するのではなく、あらかじめ組まれた下地に天井板を張る工法のことを指します。この下地は、格子状に組まれた骨組みでできており、建物の構造体から吊り下げられています。

まず、天井の躯体に野縁受と呼ばれる木材や金属製の部材を固定します。野縁受は、天井を支えるための重要な役割を果たします。この野縁受に、野縁と呼ばれる木材や金属製の部材を直角に組んでいきます。野縁は、天井板を張るための下地となる部分で、格子状に組むことで強度を高めています。こうしてできた格子状の骨組みに、プラスターボードや化粧板などの天井板を張っていきます。プラスターボードは、石膏を主成分とした板状の建材で、表面が平滑で加工しやすく、防火性にも優れています。化粧板は、木材や金属、樹脂などで作られた装飾性の高い板材で、様々なデザインや色を選ぶことができます。

張り天井の最大のメリットは、天井裏の配線や配管を隠せることです。照明器具や空調設備の配線、換気ダクトなどを天井裏に収納することで、天井面をすっきりとした印象に仕上げることができます。また、天井板の種類やデザインを変えることで、空間に合わせた雰囲気を作り出すことも可能です。例えば、木目調の化粧板を使えば温かみのある空間を、光沢のある金属板を使えばスタイリッシュな空間を演出できます。さらに、天井と床の間に空間を作ることで、断熱性や遮音性を高める効果も期待できます。このように、張り天井は機能性とデザイン性を両立した優れた天井仕上げ工法と言えるでしょう。

項目 説明
工法 天井板を直接躯体に固定するのではなく、あらかじめ組まれた下地に天井板を張る工法。下地は格子状に組まれた骨組みで、建物の構造体から吊り下げられています。
下地 野縁受(木材や金属製)を躯体に固定し、そこに野縁(木材や金属製)を直角に組んで格子状の骨組みを作る。
天井板 プラスターボード、化粧板など。プラスターボードは石膏を主成分とした板状の建材で、平滑で加工しやすく防火性に優れる。化粧板は木材、金属、樹脂などで作られた装飾性の高い板材。
メリット
  • 天井裏の配線や配管を隠せる
  • 天井板の種類やデザインを変えることで、空間に合わせた雰囲気を作り出せる
  • 断熱性や遮音性を高める効果

張り天井のメリット

張り天井のメリット

天井を模様替えする方法として、近年注目を集めているのが張り天井です。既存の天井に下地を設けて、新たな天井材を張るこの工法は、様々な利点を持っています。

まず挙げられるのが、デザイン性の高さです。天井板には様々な素材や模様、色を選ぶことができ、空間に合わせて思い通りの雰囲気を作り出すことができます。例えば、木目調の板を選べば温かみのある空間に、明るい色の板を選べば広く開放的な空間に仕上がります。また、照明を天井に埋め込むことも容易で、間接照明を取り入れて落ち着いた雰囲気を演出することも可能です。

快適な住環境の実現にも、張り天井は貢献します。天井と既存の天井との間にできた空間に、断熱材や吸音材を充填することで、室内の温度を一定に保ち、外部からの騒音や室内の生活音を軽減することができます。夏は涼しく、冬は暖かく、静かで過ごしやすい空間を実現できます。

さらに、張り天井はリフォームにも最適です。既存の天井を解体する必要がない場合が多く、工期短縮や廃材処理費用の削減につながります。また、天井裏に配線や配管が隠れている場合でも、張り天井を施工することでそれらを覆い隠すことができ、見た目もすっきりとした美しい仕上がりになります。天井の傷や汚れが気になる場合でも、張り天井によって手軽に隠すことが可能です。

このように、張り天井はデザイン性、機能性、施工性といった様々な面で優れた特徴を持っています。新築はもちろん、リフォームを考えている方も、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

メリット 詳細
デザイン性 ・様々な素材、模様、色から選べる
・木目調で温かみのある空間、明るい色で開放的な空間など、雰囲気作りが可能
・照明を埋め込みやすく、間接照明で落ち着いた演出も可能
快適な住環境 ・断熱材/吸音材を充填できる
・温度を一定に保ち、騒音を軽減
・夏は涼しく、冬は暖かく、静かな空間を実現
リフォームに最適 ・既存の天井解体不要(場合による)
・工期短縮、廃材処理費用削減
・配線/配管を隠して見た目すっきり
・傷や汚れを隠せる

張り天井の種類

張り天井の種類

天井の仕上げ材として広く使われている張り天井。大きく分けて二つの種類があります。一つは、プラスターボードと呼ばれる建材を下地に用い、その上にクロスを貼る方法です。プラスターボードは石膏を主成分とした板状の建材で、比較的安価で加工しやすいという特徴があります。その上に貼るクロスも多種多様な色や模様があり、自分の好みに合わせて選ぶことができます。そのため、住宅で最もよく見られる天井仕上げとなっています。費用を抑えつつ、様々な雰囲気の部屋を作りたいという場合に適しています。

もう一つは、天井に直接化粧板を張る方法です。化粧板とは、表面に模様や塗装が施された装飾用の板のことです。化粧板には様々な素材があり、木材の温もりを感じさせるものや、金属の光沢が印象的なものなど、空間に合わせて選ぶことができます。この仕上げ方法は、クロス仕上げに比べて費用は高くなりますが、耐久性に優れ、高級感があるため、オフィスビルや商業施設などでよく採用されています。また、木材の風合いを生かした重厚な雰囲気にしたい場合や、金属の質感を活かしたスタイリッシュな空間にしたい場合にも適しています。

このように、張り天井にはそれぞれ異なる特徴を持つ種類があります。予算や求める空間の雰囲気、建物の用途などを考慮し、最適な張り天井を選び、理想の空間を実現しましょう。

項目 プラスターボード+クロス 化粧板
下地 プラスターボード なし(直接施工)
材料 石膏を主成分とした板状の建材+クロス 表面に模様や塗装が施された装飾用の板
費用 比較的安価 高価
耐久性 低い 高い
質感 多種多様な色や模様 木材の温もり、金属の光沢など
雰囲気 様々な雰囲気 高級感
適用箇所 住宅 オフィスビル、商業施設
メリット 費用を抑えつつ、様々な雰囲気の部屋を作りやすい 耐久性に優れ、高級感がある

張り天井と直張り天井

張り天井と直張り天井

天井仕上げには、大きく分けて二つの方法があります。一つは「張り天井」、もう一つは「直張り天井」です。それぞれの特徴を理解し、ご自宅に合った工法を選びましょう。

まず、直張り天井について説明します。直張り天井は、天井の骨組みである梁や根太に、天井板となる石膏ボードを直接固定する工法です。この工法の最大のメリットは、施工が簡単で工期が短いことです。そのため、費用を抑えることができます。また、天井と床の間の空間が少なくなるため、部屋を広く感じさせる効果もあります。しかし、天井裏に配線や配管などを隠すことができません。そのため、配線や配管が露出してしまうため、見た目が気になる方もいるかもしれません。さらに、天井裏に断熱材や吸音材を入れる空間がないため、断熱性や吸音性が低いというデメリットもあります。

次に、張り天井について説明します。張り天井は、天井の骨組みに野縁と呼ばれる下地材を組み、その下に石膏ボードを張る工法です。天井と石膏ボードの間に空間ができるため、そこに配線や配管を隠すことができます。そのため、天井がすっきりとした印象になります。また、断熱材や吸音材を充填できるため、断熱性や吸音性を高めることができます。結果として、光熱費の節約や生活音の軽減につながります。このように、張り天井はデザイン性、機能性、快適性の面で優れています。しかし、直張り天井に比べて施工の手間がかかるため、費用は高くなります。また、天井裏の空間ができる分、部屋の高さはやや低くなります。どちらの工法にもメリット・デメリットがありますので、予算や希望する仕上がりに合わせて最適な工法を選びましょう。

項目 直張り天井 張り天井
施工 簡単、工期短い 手間がかかる
費用 安い 高い
空間 天井と床の間の空間が少なく、部屋を広く感じさせる 天井裏に空間ができるため、部屋の高さはやや低くなる
配線・配管 隠すことができない(露出する) 隠すことができる
断熱性・吸音性 低い 高い(断熱材や吸音材を充填できる)
メリット 施工が簡単、工期が短い、費用が安い、部屋を広く感じさせる 配線・配管を隠せる、断熱性・吸音性が高い、光熱費の節約、生活音の軽減
デメリット 配線・配管が露出する、断熱性・吸音性が低い 施工が複雑、費用が高い、部屋の高さはやや低くなる

張り天井の施工

張り天井の施工

天井を新しくする工事、いわゆる張り天井工事は、専門的な知識と技術が欠かせません。仕上がりの美しさはもちろんのこと、安全で長持ちする天井を作るには、正しい手順と丁寧な作業が必要です。まず初めに、天井の高さを決めます。部屋の広さや用途、そこに住む人の身長などを考慮して、最適な高さを選びましょう。天井の高さが決まったら、野縁受を取り付ける位置を正確に測り、しっかりと固定します。この野縁受は、天井を支える骨組みとなる野縁を固定するための土台となるため、正確な位置決めとしっかりとした固定が非常に重要です。

次に、野縁を格子状に組んでいきます。野縁は木材や金属などで作られた細長い材料で、これが天井の骨組みとなります。野縁を組む際には、水平器を使って水平を確認しながら、一本一本丁寧に固定していきます。水平が少しでもずれていると、完成した天井が傾いて見えたり、ボードにひび割れが入ったりする原因となるため、細心の注意が必要です。

野縁が組み終わったら、いよいよ天井板となるボードを張っていきます。天井に張るボードには様々な種類とサイズがあり、それぞれに適した工具と材料を使う必要があります。ボードとボードの隙間をなくし、隙間なく丁寧に張ることで、美しい仕上がりと高い耐久性を実現できます。隙間があると、後からクロスを貼っても、その継ぎ目が目立ってしまうことがあります。

最後に、仕上げ作業です。天井の仕上げ材として一般的なのはクロスですが、その他にも化粧板など様々な材料があります。選んだ仕上げ材に合わせて適切な施工を行い、美しく仕上げることで、空間全体の印象が格段に向上します。天井の形状や建物の構造によっては、特殊な工法が必要となる場合もあります。経験豊富な業者に依頼することで、安心して工事を任せられ、理想的な張り天井を実現できるでしょう。

工程 ポイント 注意点
天井の高さ決定 部屋の広さ、用途、住む人の身長を考慮
野縁受取り付け 正確な位置決めとしっかりとした固定 土台となるため重要
野縁設置 格子状に水平器で水平を確認しながら固定 水平がずれると天井が傾いたり、ボードにひび割れ
ボード張り 隙間なく丁寧に張り、美しい仕上がりと高い耐久性を実現 隙間があるとクロスの継ぎ目が目立つ
仕上げ クロスなど仕上げ材に合わせた適切な施工 空間全体の印象が向上

まとめ

まとめ

見た目にも美しく、機能性も高い天井仕上げとして、近年注目を集めているのが張り天井です。新築はもちろん、リフォームにも適しており、お住まいの雰囲気を一新したいと考えている方におすすめです。

張り天井の魅力は、まずデザインの豊富さにあります。シンプルな平面状のものから、曲線や段差をつけた複雑な形状のものまで、様々なデザインが可能です。天井の色や素材も自由に選べるため、お部屋の雰囲気や好みに合わせて、思い通りの空間を演出できます。照明との組み合わせ次第で、より一層印象的な空間を作り出すことも可能です。

機能面では、天井裏の配線や配管を隠せることが大きなメリットです。これにより、すっきりとした印象の空間を実現できます。また、天井と天井材の間に断熱材や吸音材を入れることができるため、断熱性や遮音性を向上させる効果も期待できます。夏は涼しく、冬は暖かい快適な住環境を実現し、外部からの騒音や生活音の漏れを防ぎ、静かな空間を保つことができます。

リフォームの場合でも、既存の天井を壊さずに施工できるケースもあるため、工事期間の短縮や費用を抑えることが可能です。ただし、建物の構造によっては、既存の天井を撤去する必要がある場合もあります。いずれの場合も、専門の業者に依頼することで、美しく、安全で、長持ちする張り天井を実現できます。施工前に、業者としっかりと打ち合わせを行い、ご自身の希望や予算を伝えることが大切です。新築やリフォームを検討している方は、ぜひ張り天井という選択肢も考えてみてはいかがでしょうか

項目 内容
見た目 美しいデザイン
機能性 高い機能性
デザイン 豊富
・平面
・曲線、段差
・色、素材
メリット ・配線、配管を隠せる
・断熱性、遮音性向上
リフォーム ・既存天井壊さず施工可能
・費用、期間抑制
その他 照明で印象的な空間演出