水に強い合板、その種類と使い分け

水に強い合板、その種類と使い分け

リフォームを知りたい

先生、「対水合板」ってよく聞くんですけど、普通の合板とは何が違うんですか?

リフォーム研究家

いい質問だね。対水合板は、水に強い合板のことだよ。普通の合板は水に濡れると膨らんだり、剥がれたりするけど、対水合板は接着剤に工夫がしてあって、水に濡れても大丈夫なんだ。

リフォームを知りたい

なるほど!じゃあ、お風呂場とか、キッチンでも使えるんですね!

リフォーム研究家

その通り!特に、1類と2類があって、1類は完全耐水性合板といって、水回りにも安心して使える。2類は普通耐水性合板といって、ある程度の湿気には耐えられるけど、1類ほどではないから、水に濡れにくい場所に使うんだ。

対水合板とは。

水に強い合板について説明します。合板には、日本農林規格(JAS)で定められた、水に対する強さに基づいた種類があります。1類は完全に水に強い合板、2類は普通に水に強い合板です。家を建てたり、改修したりするときに使う合板の種類についてのお話です。

対水合板とは

対水合板とは

対水合板とは、名前の通り水に強い合板です。普通の合板は水に弱く、濡れると膨らんだり、層が剥がれたりして傷みやすい性質があります。対水合板は、水に強い接着剤を使うことで、水による傷みを防ぎ、湿気が多い場所でも使えるように作られています。

水回りに使われることが多い材料で、台所や風呂場、洗面所などでよく見かけます。屋外のベランダや外壁にも使われ、様々な場所でその力を発揮します。水に強いだけでなく、最近では虫がつきにくかったり、火に強かったり、体に良くない成分が少ないといった、さらに優れた機能を持つ対水合板も出てきています。そのため、家造りの色々な場面で使われています。

普通の合板は、木を薄くスライスした単板を繊維方向が交互に重なるように重ねて接着剤で貼り合わせて作られます。対水合板も基本的な構造は同じですが、使用する接着剤が水に強いフェノール樹脂接着剤やメラミン樹脂接着剤になっているところが大きな違いです。これらの接着剤は、水に濡れても剥がれたりせず、合板の強度を保ちます。

家を作る上で、長く住み続けられる丈夫な家にするためには、水に強い材料を選ぶことが大切です。家の土台となる木材や壁材が水に弱いと、腐食やカビの発生につながり、家の寿命を縮めてしまうからです。対水合板は、水に強い材料として、家の寿命を長く保つための有効な手段の一つと言えるでしょう。湿気が多い日本の気候では、特に重要な建材と言えるでしょう。

項目 内容
対水合板の特性 水に強い、湿気に強い、虫がつきにくい、火に強い、体に良くない成分が少ない
使用場所 台所、風呂場、洗面所、ベランダ、外壁など
構造 木を薄くスライスした単板を繊維方向が交互に重なるように重ねて接着剤で貼り合わせて作る(普通の合板と同じ)
接着剤 フェノール樹脂接着剤、メラミン樹脂接着剤
メリット 家の寿命を長く保つ
その他 日本の気候に適した建材

種類と特徴

種類と特徴

合板は、薄い板を重ねて接着した建材で、住宅建築で広く使われています。その中でも、水に強い合板を対水合板と呼び、日本農林規格(JAS)によって、耐水性能に基づき1類と2類に分類されています。

1類は「完全耐水性合板」とも呼ばれ、非常に高い耐水性能を誇ります。煮え立ったお湯に長時間つけても変質しにくいため、屋外や水回りなど、過酷な環境でも安心して使用できます。例えば、浴室の壁や床、キッチンカウンター、ベランダの床など、常に水がかかったり、湿気が多い場所に最適です。また、強度の高さも特徴で、構造用材としても利用されます。

一方、2類は「普通耐水性合板」と呼ばれ、1類に比べると耐水性能は少し劣ります。とはいえ、一般的な水回りでの使用には十分な性能を持っています。洗面台や洗濯機置き場など、一時的に水がかかる場所であれば問題なく使用できます。また、1類に比べて価格が安いため、コストを抑えたい場合に適しています。

どちらの種類を選ぶかは、使用場所の環境や必要な性能、予算を考え合わせて決める必要があります。例えば、浴室のように常に水がかかる場所には、高い耐水性を持つ1類が適しています。一方、洗面所など、水がかかる頻度が少ない場所であれば、2類でも十分です。また、予算に限りがある場合は、2類を選ぶことでコストを抑えることができます。

専門家と相談しながら、それぞれの特性を理解し、用途に合った最適な種類を選ぶことが大切です。

項目 対水合板 1類 対水合板 2類
別称 完全耐水性合板 普通耐水性合板
耐水性能 非常に高い(煮え立ったお湯に長時間つけても変質しにくい) 1類より劣るが、一般的な水回りでの使用には十分
用途例 浴室の壁・床、キッチンカウンター、ベランダの床など、常に水がかかったり湿気が多い場所、構造用材 洗面台、洗濯機置き場など、一時的に水がかかる場所
価格 高価 安価
その他 強度が高い コストを抑えたい場合に適している

用途と選び方

用途と選び方

水に強い合板を選ぶ際には、用途に合った種類を選ぶことが大切です。合板には、耐水性のレベルによって種類分けがされています。代表的なものとして、一類合板と二類合板があります。

一類合板は、完全耐水合板とも呼ばれ、非常に高い耐水性を誇ります。浴室や台所、洗面所といった、常に水がかかったり、湿気が多い場所に最適です。具体的には、浴室の壁や床、台所の調理台、洗面台の素材として使われます。また、屋外で使うベランダの床や家の外壁にも使われます。水に濡れても変形したり腐ったりしにくいため、安心して使うことができます。

一方、二類合板は普通耐水合板と呼ばれ、一類合板ほどの耐水性はありませんが、ある程度の耐水性を持っています。そのため、水に直接濡れることは少ないけれど、湿気が気になる場所に適しています。例えば、台所収納の棚板や洗面所の壁、あるいは建築物の下地材として使われます。

合板を選ぶ際には、まず設置場所の湿度や水濡れの頻度をしっかりと確認しましょう。常に水に濡れる場所であれば一類合板、そうでなければ二類合板を検討するのが良いでしょう。また、必要な強度や大きさ、そして予算も考慮する必要があります。強度が必要な場所には厚みのある合板を選び、大きさは設置場所に合うように調整しましょう。予算に合わせて価格と性能のバランスが良いものを選ぶことも大切です。

もし合板の種類選びに迷う場合は、専門家に相談してみるのも一つの方法です。専門家は、設置場所の状況や用途、必要な性能などを考慮して、最適な合板の種類を提案してくれます。安心して使うためにも、専門家の意見を参考にしながら、慎重に選びましょう。

種類 耐水性 用途 使用例
一類合板 (完全耐水合板) 非常に高い 常に水がかかったり、湿気が多い場所 浴室の壁・床、台所の調理台、洗面台、ベランダの床、家の外壁
二類合板 (普通耐水合板) ある程度 水に直接濡れることは少ないが、湿気が気になる場所 台所収納の棚板、洗面所の壁、建築物の下地材

施工時の注意点

施工時の注意点

水に強い合板を使う工事では、いくつか気を付ける点があります。まず、合板を切ったり、穴を開けたりした断面は、水が入らないように必ず防水処理をしなければなりません。水が入ると合板が腐ったり、強度が落ちたりするからです。防水用の塗料や隙間を埋める材料を使うことで、合板の劣化を防ぎ、長持ちさせることができます。

次に、合板を固定するときは、水に強い接着剤や金物を使うことが大切です。湿気に強い材料を使うことで、年月が経っても剥がれたり、腐ったりするのを防ぎます。普通の釘やネジを使うと、そこから錆が発生し、合板の劣化につながることがあります。

さらに、工事の後も定期的なお手入れが必要です。表面に傷がついたり、汚れがついたりした場合は、すぐに補修することで、合板を長持ちさせることができます。傷や汚れをそのままにしておくと、そこから水が入り込み、合板が劣化しやすくなります。定期的に点検し、傷や汚れを見つけたら、適切な方法で補修しましょう。

また、合板を保管する際にも注意が必要です。雨や湿気にさらされないように、屋内で保管することが重要です。屋外に置く場合は、シートなどで覆って水濡れを防ぎましょう。湿気を吸った合板は変形しやすく、施工後に不具合が生じる可能性があります。

これらの点に注意し、適切な施工とお手入れをすることで、水に強い合板の性能を十分に発揮させ、建物の耐久性を高めることができます。少しの手間をかけることで、建物を長持ちさせることができるのです。

工程 注意点 理由 対策
切断・穴あけ 断面に水が入らないようにする 合板が腐ったり、強度が落ちたりする 防水用の塗料や隙間を埋める材料を使う
固定 水に強い接着剤や金物を使う 剥がれや腐食を防ぐ 湿気に強い材料を使う(普通の釘やネジは錆の原因となる)
工事後 定期的なお手入れ 傷や汚れから水が入ると劣化しやすくなる 傷や汚れを見つけたらすぐに補修する
保管 雨や湿気にさらされないようにする 湿気を吸うと変形しやすく、施工後に不具合が生じる 屋内で保管、屋外の場合はシートなどで覆う

まとめ

まとめ

水に強い建材を選ぶことは、家を長持ちさせる上でとても大切です。その点で、対水合板は非常に優れた建材と言えるでしょう。合板は薄い板を重ねて接着剤で貼り合わせた板材ですが、対水合板はその中でも特に水に強い性質を持っています。

対水合板には、主に1類と2類の二種類があります。1類は耐水性が非常に高く、常に水に濡れる場所や湿気の多い場所での使用に適しています。例えば、浴室の壁や床、台所の流し台の下など、水がかかりやすい場所に最適です。一方、2類は1類に比べると耐水性は若干劣りますが、それでも一般的な合板よりは水に強く、ある程度の湿気がある場所に使うことができます。例えば、洗面所やトイレの壁、下地材など、水がかかる頻度は少ないけれど湿気が気になる場所に適しています。

対水合板の種類を選ぶ際には、使用場所の環境や求められる性能、そして予算を総合的に考慮することが重要です。1類は2類よりも価格が高いため、必ずしも全ての場所に1類を使う必要はありません。専門家と相談し、それぞれの場所の状況に合った適切な種類を選ぶことが、建物の耐久性を高め、コストを抑えることにも繋がります。

対水合板の性能を最大限に発揮させるためには、適切な施工と日々の手入れも欠かせません。施工時には、接着剤の種類や塗布量、釘打ちの間隔など、細かい点に注意する必要があります。また、完成後も定期的に点検を行い、水漏れや劣化がないかを確認することで、建物の寿命を延ばすことができます。専門家のアドバイスを受けながら、適切な施工とメンテナンスを心掛け、快適で安全な住まいを長く維持しましょう。

種類 耐水性 用途 価格
1類 非常に高い 浴室、台所の流し台の下など、常に水に濡れる場所
2類 1類より若干劣る 洗面所、トイレの壁、下地材など、湿気が気になる場所 1類より安価