電気調理器:知っておくべき種類と特徴
リフォームを知りたい
先生、「電気調理器」って、コンロのことですよね?でも、IHクッキングヒーターは電気調理器じゃないって書いてあります。何が違うんですか?
リフォーム研究家
良い質問だね。確かにどちらも電気を使うけれど、加熱の仕組みが違うんだ。電気調理器は、電熱線やハロゲンランプで直接鍋を温める。IHクッキングヒーターは、磁力を使って鍋自体を発熱させるんだよ。
リフォームを知りたい
なるほど。じゃあ、電気調理器っていうのは、昔ながらの、赤い光が出るタイプのコンロのことですか?
リフォーム研究家
そうだね。赤い光が出るのがニクロム線を使ったシーズヒーター方式、少しオレンジ色の光が出て早く温まるのがハロゲンヒーター方式だよ。どちらも電気調理器に含まれるね。
電気調理器とは。
台所を新しくしたり、家を建てたりするときに使う言葉である『電気調理器』(電磁調理器ではない、電気で熱を出す調理器具のこと)について説明します。電気調理器には、いくつか種類があります。例えば、シーズヒーター方式は、渦巻き状のニクロム線で熱を出すもので、衝撃に強く、錆びにくいのが特徴です。また、ハロゲンヒーター方式は、ハロゲンランプから出る赤外線で温めるもので、すぐに温まるのが特徴です。これらの電気調理器は、電磁調理器とは異なるものです。
電気調理器の種類
火を使わず安全に調理ができる電気調理器は、様々な種類があります。一口に電気調理器と言っても、熱の発生方法には違いがあり、それぞれに長所と短所があります。大きく分けて、シーズヒーター方式、ハロゲンヒーター方式、ラジエントヒーター方式の三種類があり、これらは調理器具そのものを電気で加熱する仕組みです。磁力を使って鍋自体を発熱させる電磁調理器(IH)とは異なるため、IHは厳密には電気調理器とは別の区分となります。今回はIHを除いた、電気調理器について詳しく見ていきましょう。
まず、シーズヒーター方式は、ニクロム線などの金属発熱体を熱源とした、電気調理器の中でも歴史のある方式です。構造が単純で価格が安いことが大きな利点です。一方で、立ち上がりに時間がかかり、熱効率も他の方式に比べると劣ります。また、天板が赤熱するため高温になりやすく、やけどの危険性には注意が必要です。
次に、ハロゲンヒーター方式は、ハロゲンランプの熱を熱源とする方式です。シーズヒーターに比べて立ち上がりが早く、高温での調理が可能です。赤い光が視覚的に分かりやすく、温度変化も把握しやすいという利点もあります。しかし、消費電力が大きく、寿命が短いという欠点もあります。
最後にラジエントヒーター方式は、熱源が天板の下に設置されており、その熱を輻射熱によって鍋に伝える方式です。立ち上がりの速さと高い熱効率を両立しており、天板の温度上昇も抑えられています。安全性が高く、掃除もしやすいという利点があります。しかし、価格が比較的高価である点がデメリットと言えるでしょう。
このように、電気調理器にはそれぞれ異なる特徴があります。ご家庭のライフスタイルや調理の好みに合わせて、最適な方式を選ぶことが大切です。
方式 | 熱源 | 長所 | 短所 |
---|---|---|---|
シーズヒーター | ニクロム線などの金属発熱体 | 価格が安い | 立ち上がりが遅い、熱効率が低い、天板が高温になりやすい |
ハロゲンヒーター | ハロゲンランプの熱 | 立ち上がりが早い、高温調理が可能 | 消費電力が大きい、寿命が短い |
ラジエントヒーター | 天板下の熱源からの輻射熱 | 立ち上がりが早い、熱効率が高い、天板温度上昇が抑えられている、安全性が高い、掃除しやすい | 価格が高い |
シーズヒーター方式の特徴
金属の管の中にニクロム線を入れて渦巻き状にしたものが、シーズヒーターです。昔から使われている熱源で、頑丈さには定評があります。少々乱暴に扱ったり、水がかかって錆びたりしても、簡単には壊れません。また、他の方式と比べると値段が安いことも大きな魅力です。新しく調理器具を買いそろえる時でも、比較的気軽に導入できるでしょう。
一方で、熱の効率は他の方式に劣ります。スイッチを入れてから温まるまでに時間がかかるため、すぐに加熱調理を始めたいときには向きません。じっくりと時間をかけて煮込む料理や、油で揚げる料理などには適していますが、炒め物など、手早く火を通したい料理には不向きです。また、熱源部分の表面が平らではないため、凹凸に汚れが溜まりやすく、掃除の手間がかかります。焦げ付いた汚れを落とすには、少々苦労するかもしれません。
シーズヒーターを選ぶ際は、価格の安さと頑丈さを重視するかどうかがポイントになります。立ち上がりの早さや掃除のしやすさを重視するのであれば、他の方式の方が適しているでしょう。家族の人数や、よく作る料理の種類などを考えながら、それぞれの家庭の暮らし方に合った熱源を選びましょう。たとえば、大家族でたくさんの料理を一度に作る家庭では、立ち上がりの早さが重要になります。逆に、一人暮らしで、簡単な料理しか作らない人であれば、シーズヒーターの頑丈さと価格の安さは大きなメリットとなるでしょう。このように、メリットとデメリットをよく理解した上で、最適な熱源を選ぶことが大切です。
メリット | デメリット | ポイント |
---|---|---|
頑丈で壊れにくい | 熱効率が低い | 価格と頑丈さを重視するかどうか |
価格が安い | 温まるのが遅い | ライフスタイルに合った選択 |
掃除がしにくい | 家族の人数、よく作る料理の種類 |
ハロゲンヒーター方式の特徴
あたたかさの源は、ハロゲンランプから放たれる赤外線です。この赤外線が、鍋底に直接届き、すばやく加熱するのがハロゲンヒーター方式の大きな特徴です。スイッチを入れてから、ほんの数秒で高温に達するため、炒め物のように、短時間で高温調理が必要な料理に最適です。火を使わないので、安全性が高い点も魅力です。
熱効率の高さも、ハロゲンヒーター方式の利点です。発生した熱の多くが、鍋底に集中するため、エネルギーの無駄が少ないのです。加熱したい部分だけを効率よくあたためられるので、調理時間の短縮にもつながります。さらに、赤外線の効果で、食材の芯までしっかりと火を通すことができます。
しかし、ハロゲンランプには寿命があるという点に注意が必要です。使用頻度にもよりますが、定期的にランプを交換する必要があります。ランプ交換は、比較的簡単な作業ではありますが、費用がかかることを忘れてはいけません。また、他の加熱方式と比べると消費電力が比較的高めです。こまめに電源を切ったり、調理時間を工夫するなど、電気代の節約を意識する必要があります。
掃除の面では、トッププレートが完全に平らではないため、少し注意が必要です。凹凸があるため、汚れが溜まりやすい部分があり、拭き掃除に手間がかかる場合があります。こびり付いた汚れを落とすためには、専用のクリーナーが必要になることもあるでしょう。日頃からこまめに掃除をすることで、清潔さを保つことが大切です。
メリット | デメリット |
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ラジエントヒーター方式の特徴
ラジエントヒーターとは、調理器具を加熱する仕組みの一つです。熱源となる発熱体が、上面のトッププレートを通して熱を放射することで鍋やフライパンなどを温めます。まるで太陽の光が地面を温めるように、じんわりと熱が伝わっていく様子から「放射式」とも呼ばれています。
この加熱方式には、いくつかの利点があります。まず、熱効率が高いことが挙げられます。熱が直接調理器具に伝わるため、エネルギーの無駄が少なく、光熱費の節約にも繋がります。また、立ち上がりが早いことも魅力です。スイッチを入れてからすぐに加熱が始まるので、調理時間の短縮にも役立ちます。さらに、トッププレートが平らなので、お手入れが簡単です。拭き掃除だけで汚れを落とせるため、日々のお手入れの手間が省けます。
従来の加熱方式である、金属製の渦巻き状の発熱体が赤熱するシーズヒーターや、ハロゲンランプの熱で加熱するハロゲンヒーターと比べると、ラジエントヒーターは価格が高めです。しかし、使い勝手の良さや掃除のしやすさを重視するのであれば、ラジエントヒーターはおすすめです。
一方で、使用する調理器具によっては熱効率が下がる場合もあります。底が平らでなく、デコボコしていたり、熱伝導率の低い材質の鍋やフライパンを使うと、熱がうまく伝わらず、加熱に時間がかかったり、ムラが生じたりすることがあります。そのため、ラジエントヒーターに適した調理器具を選ぶことが大切です。効率よく加熱するためには、底が平らで、熱伝導率の高い材質の調理器具を選ぶようにしましょう。例えば、ステンレスやアルミ、銅製の鍋などが適しています。適切な調理器具を使用することで、ラジエントヒーターの利点を最大限に活かすことができます。
項目 | 内容 |
---|---|
加熱方式 | 放射式 |
仕組み | 発熱体からの熱をトッププレートを通して放射し、調理器具を温める |
メリット |
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デメリット | 価格が高め |
注意点 | 底が平らでなく、熱伝導率の低い調理器具では熱効率が下がる |
推奨調理器具 | 底が平らで、熱伝導率の高い材質(ステンレス、アルミ、銅など) |
電気調理器を選ぶ際の注意点
調理に使う電気機器を選ぶ時、まず自分の料理の仕方や暮らし方をよく考えることが大切です。例えば、よく作る料理の種類、料理に費やす時間、掃除のしやすさなどを考えて、自分に合った加熱方式を選びましょう。中華料理をよく作るなら強い火力が必要ですし、煮込み料理が好きなら火加減の調整がしやすいものが良いでしょう。また、共働きで時間がない家庭では、手入れが簡単なものがおすすめです。
さらに、台所全体の見た目との相性も重要です。システムキッチンにリフォームするのか、既存のキッチンに置くのかによっても、合うデザインは変わってきます。機器の色や形だけでなく、大きさも重要です。設置場所の広さやコンセントの位置も確認し、導入前にしっかりと計画を立てましょう。最近では、薄型で場所を取らないものや、おしゃれなデザインのものも増えてきています。
それぞれの加熱方式には、良い点と悪い点があります。例えば、IH調理器は火を使わないので安全で、掃除も簡単です。しかし、使える鍋が限られるという制限もあります。一方、ガスコンロは火力が強く、どんな鍋でも使えますが、安全面には注意が必要です。このように、それぞれの長所と短所を理解した上で、自分の家庭に最適な調理器を選びましょう。新しく設置するだけでなく、古くなったものを買い替える場合にも、これらの点は重要です。使い勝手の良い調理器を選んで、快適な料理時間を過ごしましょう。
検討事項 | 詳細 |
---|---|
自分の料理の仕方や暮らし方 | ・よく作る料理の種類 ・料理に費やす時間 ・掃除のしやすさ ・火加減の調整のしやすさ ・共働きの有無 |
台所全体の見た目との相性 | ・システムキッチンか既存のキッチンか ・機器の色、形、大きさ ・設置場所の広さ ・コンセントの位置 |
加熱方式の長所と短所 | ・IH:安全性、掃除の簡単さ vs 鍋の種類の制限 ・ガス:火力の強さ、鍋の種類の自由度 vs 安全面への注意 |
今後の調理器具の展望
近年、火を使わない安全性の高さや掃除の手軽さから、電磁調理器の人気が高まり、電気調理器の需要は少しずつ減ってきています。しかし、電磁調理器で使用できない土鍋や鉄製のフライパンなどを愛用している方も多く、電気調理器の需要が完全に消えることはないと考えられます。
むしろ、電磁調理器にはない長所を生かした製品開発が進むと予想されます。例えば、中華料理で使われるような非常に強い火力が出せる製品の登場が期待されます。電磁調理器は火力が弱いと感じる方もいるため、よりパワフルな電気調理器は、料理の幅を広げたいという消費者のニーズに応えられるでしょう。また、省エネルギー性に優れた製品も注目を集めるでしょう。電気代の高騰が続く中、消費電力を抑えながら調理できる製品は、家計を助ける上で大きなメリットとなります。
さらに、デザイン性も重要な要素となるでしょう。キッチンは家の顔とも言える場所であり、調理器具もおしゃれなインテリアの一部として考えられるようになってきています。そのため、色や形、素材にこだわった、洗練されたデザインの電気調理器が登場する可能性があります。
加えて、あらゆるものがインターネットにつながる時代において、調理器具も情報技術を取り入れた進化が期待されます。例えば、スマートフォンと連携して、レシピの検索や調理時間の管理、温度調整などが自動的に行える、便利な調理器具が登場するかもしれません。このような技術革新によって、より快適で、より手軽に、そしてより美味しく料理を楽しめるようになるでしょう。
電気調理器の今後の展望 | 詳細 |
---|---|
高火力化 | 中華料理のような強い火力を実現する製品の登場が期待される。電磁調理器の火力に不満を持つ層のニーズに応える。 |
省エネルギー化 | 電気代高騰の中、消費電力を抑えた製品は家計にメリットをもたらす。 |
デザイン性の向上 | キッチンをおしゃれに見せるインテリアの一部としての需要に応えるため、色、形、素材にこだわった製品が登場する。 |
IT化 | スマートフォン連携によるレシピ検索、調理時間管理、温度調整などを自動で行う製品が登場する可能性がある。 |