貯湯式給湯器:メリット・デメリットを徹底解説
リフォームを知りたい
先生、「貯湯式」ってどういう意味ですか?リフォームの資料に出てきたんですけど、よく分からなくて。
リフォーム研究家
ああ、貯湯式ね。簡単に言うと、お湯をタンクに貯めておく方式のことだよ。お風呂を沸かす時とかに、使うお湯をあらかじめタンクに貯めて温めておくんだ。
リフォームを知りたい
なるほど。じゃあ、お湯を使うときにすぐにお湯が出るってことですね?
リフォーム研究家
その通り!ただ、タンクに貯めてあるお湯を使い切ってしまうと、しばらくお湯が出ない時間があるんだ。家族でお風呂に続けて入る時などは、注意が必要だね。水道から直接お湯を作る方式と比べると、一度にたくさんのお湯は使えないけど、コストは安いというメリットがあるんだよ。
貯湯式とは。
お湯を沸かす装置について説明します。お湯をタンクにためておく方法と、使う時にすぐにお湯を沸かす方法があります。タンクにためておく方法は『貯湯式』と呼ばれています。たくさんのお湯を一度に使う場合は向いていませんが、使う時にすぐ沸かす方法よりも費用が安くすみます。
貯湯式とは
貯湯式給湯器とは、文字通りお湯をタンクに貯めておく仕組みの給湯器です。必要な時、貯めておいたお湯を温水供給用の配管を通して蛇口やシャワーに送ります。家庭で使われるお給湯器として、古くから広く普及している方式で、お湯の温度や水圧が安定していることが大きな特徴です。また、構造が比較的単純なので、初期費用を抑えることができることも魅力です。太陽熱温水器と組み合わせれば、光熱費をさらに節約することもできます。
貯湯タンクの容量は、家族の人数や生活の仕方によって選ぶことができます。一人暮らしであれば小さなタンクで十分ですが、家族が多い場合は大きなタンクを選ぶのが良いでしょう。1人暮らし向けのタンク容量は30リットルから40リットル程度、4人家族であれば160リットルから200リットル程度のタンク容量が目安となります。家族構成だけでなく、湯船にお湯を張る場合は、バスタブのサイズも考慮してタンク容量を選びましょう。
近年は、高効率給湯器やエコキュートといった、省エネルギー性に優れた貯湯式給湯器も販売されており、光熱費の節約に役立ちます。エコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かすため、電気代を大幅に削減できます。また、高効率給湯器は、従来の貯湯式給湯器に比べて、少ないエネルギーでお湯を沸かすことができます。
設置場所は、貯湯タンクの大きさによって異なりますが、屋内または屋外に設置するのが一般的です。屋内設置の場合は、配管工事の手間が少なく、凍結の心配もありません。屋外設置の場合は、設置スペースを広く確保できるというメリットがあります。設置場所の広さや周りの環境、配管の状況などを考慮し、適切な設置場所を選ぶことが大切です。
適切な設置と定期的なお手入れを欠かさなければ、快適にお湯を使うことができます。貯湯タンクの定期的な清掃や、配管の点検などを行うことで、故障を防ぎ、長く使うことができます。
項目 | 説明 |
---|---|
仕組み | お湯をタンクに貯めておき、必要な時に温水供給用の配管を通して蛇口やシャワーに送る方式 |
メリット | お湯の温度と水圧が安定、初期費用を抑えられる、太陽熱温水器との組み合わせで光熱費節約 |
タンク容量 | 家族の人数、生活の仕方、バスタブのサイズによって選ぶ。1人暮らし: 30~40L、4人家族: 160~200L程度 |
種類 | 高効率給湯器、エコキュートなど省エネルギー性に優れたタイプも有り |
設置場所 | 屋内または屋外。屋内は配管工事の手間が少なく凍結の心配がない。屋外は設置スペースを広く確保できる。 |
メンテナンス | 貯湯タンクの定期的な清掃、配管の点検 |
貯湯式のメリット
お湯を沸かす仕組みには、大きく分けて貯湯式と水道直圧式の二種類があります。貯湯式給湯器とは、あらかじめタンクにお湯を貯めておき、必要に応じて温水を供給するタイプの給湯器です。この貯湯式には、様々な利点があります。まず第一に挙げられるのが、初期費用の安さです。水道管の圧力を利用してお湯を沸かす水道直圧式に比べて、貯湯式給湯器は導入費用が安く抑えられます。そのため、リフォームや家造りの際に予算を重視したい方にとって、貯湯式は魅力的な選択肢となるでしょう。
二つ目のメリットは、お湯の温度と水圧が安定していることです。貯湯式はタンクにお湯を貯めてから供給するため、水道の圧力変化の影響を受けにくく、いつでも安定した温度と水圧のお湯を使うことができます。家族が多いご家庭などで、複数の人が同時に水を使う時間帯でも、急にお湯が冷たくなったり、シャワーの水圧が弱くなったりといった心配がありません。快適なバスタイムを過ごせるだけでなく、キッチンでの洗い物などもスムーズに行えます。
さらに、貯湯式給湯器は太陽熱温水器との相性が良い点もメリットです。太陽熱温水器は、太陽の熱を利用してお湯を温めるシステムです。この太陽熱温水器で温めたお湯を貯湯タンクに貯めておくことで、ガスや電気の使用量を大幅に削減できます。光熱費の節約になるだけでなく、二酸化炭素の排出量も抑えられるため、環境にも優しい暮らしを実現できます。地球温暖化が深刻化する現代において、太陽のエネルギーを有効活用できる貯湯式給湯器は、家計にも環境にも優しい、持続可能な選択肢と言えるでしょう。
貯湯式給湯器のメリット | 説明 |
---|---|
初期費用の安さ | 水道直圧式に比べて導入費用が安く抑えられます。 |
お湯の温度と水圧が安定 | タンクにお湯を貯めて供給するため、水道の圧力変化の影響を受けにくく、いつでも安定した温度と水圧のお湯を使うことができます。 |
太陽熱温水器との相性 | 太陽熱温水器で温めたお湯を貯湯タンクに貯めておくことで、ガスや電気の使用量を大幅に削減できます。 |
貯湯式のデメリット
貯湯式給湯器は、お湯をタンクに貯めておくことでいつでも温かいお湯を使える便利な仕組みです。しかし、メリットばかりではなく、いくつかデメリットも存在します。まず第一に、タンクを設置するためのスペースが必要です。タンクの大きさは貯湯量によって異なり、一般家庭用の小型のものから、大家族向けの大きなものまで様々です。設置場所の広さによっては、設置できるタンクのサイズが限られる場合もあります。事前に設置場所の寸法をよく確認し、適切な大きさの給湯器を選びましょう。
次に、一度に使えるお湯の量に限りがあるという点です。タンクに貯めてあるお湯を使い切ってしまうと、新しいお湯が沸き上がるまで待たなければなりません。家族が多いご家庭や、お湯をたくさん使うご家庭では、お湯が足りなくなる可能性があります。特に、浴槽にお湯をためる際などは、タンクの容量を十分に確認しておく必要があります。お湯が足りなくなると、家族の入浴時間がずれてしまったり、不便を感じることがあります。
さらに、貯めたお湯を保温するためのエネルギーが必要です。タンク内の保温機能によってお湯の温度を保っていますが、この保温には電気が使われます。そのため、水道から直接水を取り出して温める水道直圧式と比べると、どうしても光熱費がかさんでしまう傾向があります。毎日使うものですから、長い目で見てランニングコストを意識することも大切です。
最後に、タンク内に長時間お湯が貯められた状態になるため、衛生面が気になるという方もいるかもしれません。タンク内は定期的な清掃が必要です。清掃を怠ると、水垢などが発生し、お湯が汚れてしまう可能性があります。清潔で安全なお湯を使うためには、定期的なメンテナンスを欠かさず行い、清潔な状態を保つように心がけましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
いつでも温かいお湯を使える | タンクを設置するためのスペースが必要 |
一度に使えるお湯の量に限りがある | |
貯めたお湯を保温するためのエネルギーが必要 | |
タンク内に長時間お湯が貯められた状態になるため、衛生面が気になる |
水道直圧式との比較
お湯を沸かす仕組みの違いで、大きく二つの種類に分けられるのが貯湯式と水道直圧式です。それぞれに長所と短所があるので、ご自宅に合った方式を選ぶことが大切です。
まず貯湯式についてですが、これはあらかじめタンクにお湯を貯めておく方式です。お湯を使う時にタンクから温水を供給するため、お湯の温度や水圧が安定しているのが大きな利点です。また、水道直圧式に比べて初期費用が抑えられるのも魅力です。一方で、タンクを設置するためのスペースが必要となります。集合住宅にお住まいの方など、設置場所が限られている場合は注意が必要です。また、タンクに貯めてあるお湯の量には限りがあるため、一度に大量のお湯を使うと、途中で水になる可能性があります。大家族で一度に複数の人がシャワーを使うご家庭などでは、お湯が足りなくなることもあるかもしれません。
次に水道直圧式ですが、こちらは水道水を直接加熱して供給する方式です。お湯を使う時に瞬間的に温めるため、お湯切れの心配がありません。大家族でも安心してお湯を使うことができます。また、貯湯タンクを設置する必要がないため、省スペースで設置できるのもメリットです。洗面化粧台の下などに設置できるコンパクトなタイプも販売されているので、限られたスペースにも設置可能です。その反面、水道直圧式は貯湯式に比べて初期費用が高くなります。また、水道水の圧力に左右されるため、地域や時間帯によっては水圧が弱くなることもあります。
一人暮らしの方や夫婦二人暮らしの方で、初期費用を抑えたい場合は貯湯式が良いでしょう。一方で、大家族で一度にたくさんのお湯を使う機会が多いご家庭や、お湯切れの心配をしたくないという方は、水道直圧式の導入をおすすめします。それぞれの長所と短所をよく理解し、ご自身の生活スタイルやご予算に合わせて最適な方式を選びましょう。
項目 | 貯湯式 | 水道直圧式 |
---|---|---|
仕組み | あらかじめタンクにお湯を貯めておく | 水道水を直接加熱して供給 |
メリット | お湯の温度/水圧が安定 初期費用が安い |
お湯切れの心配なし 省スペース |
デメリット | 設置スペースが必要 一度に大量のお湯を使うと水になる可能性 |
初期費用が高い 水圧が弱い場合がある |
おすすめ | 一人暮らし/夫婦二人暮らし 初期費用を抑えたい |
大家族 お湯切れの心配をしたくない |
まとめ
お湯を沸かす機械を選ぶ際には、貯湯式と水道直圧式の二つの方式をよく考える必要があります。貯湯式は、あらかじめタンクにお湯を貯めておく方式です。この方式の良い点は、まず価格が安いことです。また、お湯を使う時に温度や水圧が安定しているため、快適に使うことができます。熱いお湯と冷たい水が交互に出てくるようなこともありません。しかし、タンクを設置する場所が必要になります。そして、タンクに貯めてある量しかお湯を使えないため、大家族で一度にたくさんのお湯を使う場合には、お湯が足りなくなる可能性があります。
一方、水道直圧式はお湯を使う時に瞬間的に水を温める方式です。貯湯式のようにタンクを設置する必要がないため、場所を取りません。また、一度にたくさんのお湯を使うことができます。しかし、貯湯式に比べると価格が高いです。さらに、水道の水圧でお湯の温度や水圧が変わることもあります。
どちらの方式にも良い点と悪い点があります。そのため、家族の人数や、普段どのようにお湯を使うのか、そして予算などを考えて最適な方を選ぶことが大切です。たとえば、一人暮らしや夫婦二人暮らしで、お風呂にお湯を貯める以外にはあまりお湯を使わないという場合は、貯湯式で十分でしょう。一方、家族が多くて、シャワーやキッチンでお湯をたくさん使うという場合は、水道直圧式の方が良いかもしれません。
また、どちらの方式を選んだとしても、定期的なお手入れをすることで、機械の寿命を延ばし、快適に使い続けることができます。最近では、エネルギーを節約できる高性能な貯湯式も販売されていますので、環境にも優しく、賢く選びましょう。
項目 | 貯湯式 | 水道直圧式 |
---|---|---|
価格 | 安い | 高い |
設置スペース | 必要 | 不要 |
お湯の量 | タンク容量に制限あり | 制限なし |
温度/水圧安定性 | 安定 | 水圧に影響される |
メリット | 価格が安い、温度/水圧が安定 | 設置スペース不要、お湯の量に制限なし |
デメリット | 設置スペース必要、お湯の量に制限あり | 価格が高い、温度/水圧が不安定 |
向き/不向き | 一人暮らし、夫婦二人暮らし、お湯の使用量が少ない | 家族が多い、お湯の使用量が多い |