太陽熱温水器と貯水タンク

太陽熱温水器と貯水タンク

リフォームを知りたい

先生、「シスターンタンク」って、太陽熱温水器にある水を入れるタンクのことですよね?どんな役割があるんですか?

リフォーム研究家

そうだね。太陽熱温水器にあるタンクのことをシスターンタンクと言うよ。太陽熱温水器は、太陽の熱で水を温める装置だけど、温めるためにお湯を循環させる必要があるんだ。その循環させるお湯をためておくのがシスターンタンクの役割だよ。

リフォームを知りたい

じゃあ、お湯を温めるためだけじゃなくて、温めたお湯をためておく役割もあるんですか?

リフォーム研究家

温めたお湯をためておくのは、別のタンクの役割だよ。シスターンタンクは温めるためのお湯をためておくタンクで、温めたお湯をためておくのは貯湯タンクと言うんだ。役割が違うから、名前も違うんだよ。

シスターンタンクとは。

太陽熱でお湯を作る装置で使う『貯水槽』について説明します。この貯水槽は、太陽熱でお湯を作る板に供給する水をためておくためのものです。

太陽熱温水器の仕組み

太陽熱温水器の仕組み

太陽熱温水器は、太陽の光エネルギーを使って水を温め、お湯を作る装置です。お湯を作る仕組みは、大きく分けて三つの部分から成り立っています。一つ目は集熱器、二つ目は貯湯タンク、三つ目は配管です。

まず集熱器ですが、太陽の光を効率よく吸収するために、黒い板状のパネルが使われています。この黒いパネルの中に水を通す管が張り巡らされています。太陽の光がこのパネルに当たると、パネル自体と管の中の水が温められます。集熱器の種類によっては、管の中を不凍液などの特別な液体が流れるものもあります。この液体は温まりやすく冷めにくい性質をもつため、曇りの日でも効率的にお湯を作ることができます。

次に貯湯タンクですが、集熱器で温められた水が貯められるタンクです。タンクは断熱材で覆われており、温めたお湯の温度が下がりにくい構造になっています。集熱器で温められた水は、この貯湯タンクに送られ、タンク内の水を温めます。タンク内には温水と冷水が層になり、常に温かいお湯を使うことができるようになっています。

最後に配管ですが、貯湯タンクに貯まったお湯を、台所やお風呂などの蛇口まで送るための管です。配管を通して、必要な時に温かいお湯を各蛇口から使うことができます。

太陽熱温水器には、自然の力でお湯を作る自然循環式と、ポンプを使って水を循環させる強制循環式があります。自然循環式は電気を使わないので環境に優しく、光熱費の節約にもなります。太陽が出ている間は常に温水が供給されるため、家計にも優しい装置と言えるでしょう。

太陽熱温水器の仕組み

シスターンタンクの役割

シスターンタンクの役割

太陽熱でお湯を作る仕組みには、集熱器と呼ばれる装置で温められたお湯を貯めておく貯湯タンクが欠かせません。この貯湯タンクに、集熱器の空焚きを防ぎ、安定してお湯を作るために、重要な役割を果たすのがシスターンタンクです。

太陽熱温水器は、太陽の熱を集めて水を温めます。温められたお湯は貯湯タンクへと送られますが、何らかの理由でシステム内の水量が減ってしまうと、集熱器に水が無くなって空焚き状態になる危険があります。空焚き状態は集熱器の故障に繋がりかねません。そこで、シスターンタンクは、この水不足を補うための水を蓄えておくのです。システム内の水量が減った時は、シスターンタンクから水が供給され、集熱器が空焚きになるのを防ぎ、システム全体の安定した運転を支えます。

また、災害時など、断水で水道が使えなくなってしまった場合でも、シスターンタンクに貯めておいた水のおかげで、しばらくはお湯を使うことができます。これは、普段の生活でも、夜間や早朝など太陽が出ていない時間帯でもお湯を使えるのと同じ仕組みです。シスターンタンクがあることで、太陽が出ている時だけでなく、いつでもお湯が使えるという安心感を得られるのです。

シスターンタンクの容量は、設置する場所の広さや使用量に合わせて選ぶと良いでしょう。設置場所の広さに余裕があり、たくさんの温水を使いたい場合は、容量の大きいシスターンタンクを設置することで、より多くの水を貯めておくことができます。このように、シスターンタンクは太陽熱温水器の安定稼働に欠かせない、重要な役割を担っていると言えるでしょう。

シスターンタンクの役割 メリット
集熱器の空焚き防止 システム内の水不足を補うことで、集熱器の故障を防ぎ、安定した運転を維持する。
断水時の水確保 災害時など、断水時でも貯めておいた水を利用してお湯を使用できる。
常時給湯の確保 夜間や早朝など、太陽が出ていない時間帯でもお湯を使用できる。

容量の選択:設置場所の広さや使用量に合わせて選ぶ

タンクの設置場所と注意点

タンクの設置場所と注意点

雨水タンクや貯水槽などのタンクを設置する際には、場所の選定と設置後の維持管理が重要です。設置場所を適切に選ばないと、タンクの破損や水質悪化につながる可能性があります。

タンクの設置場所は、大きく分けて屋内と屋外があります。屋内に設置する場合、凍結の心配がない場所を選ぶことが大切です。冬場に水が凍ってしまうと、タンクが破損する恐れがあります。また、設置場所の床がタンクと水の重さに耐えられるかどうかも確認が必要です。

屋外に設置する場合は、直射日光を避けることが重要です。日光に当たり続けると、タンク内の藻の発生を促し、水質が悪化する原因となります。また、雨水や虫の侵入を防ぐため、雨よけを設置したり、蓋をしっかりと閉めるなどの対策が必要です。

タンクの大きさも重要な要素です。使用量や設置場所の広さを考慮して、適切な大きさのタンクを選びましょう。大きすぎると場所を取り、設置費用も高くなります。小さすぎると、必要な量の水を確保できない可能性があります。家族構成や水の使用頻度を考慮して、最適な大きさを選びましょう。設置場所の床の強度も必ず確認してください。タンクに水を入れると、相当な重さになります。設置場所の床がその重さに耐えられるかどうか、事前に確認しておくことが重要です。

設置後は、定期的な点検と清掃を行いましょう。タンク内を清潔に保つことで、水質の悪化を防ぐことができます。点検では、タンク本体に破損がないか、配管に漏れがないかなどを確認します。清掃は、タンクの種類や使用状況に応じて適切な方法で行いましょう。

設置場所 注意点
屋内
  • 凍結の心配がない場所を選ぶ
  • 設置場所の床がタンクと水の重さに耐えられるか確認
屋外
  • 直射日光を避ける
  • 雨よけを設置
  • 蓋をしっかりと閉める
項目 注意点
タンクの大きさ
  • 使用量や設置場所の広さを考慮
  • 家族構成や水の使用頻度を考慮
設置場所の床の強度 タンクに水を入れると重くなるため、床の強度を確認
設置後の維持管理
  • 定期的な点検(タンク本体の破損、配管の漏れ)
  • 定期的な清掃(タンクの種類や使用状況に応じた方法で)

適切な維持管理の重要性

適切な維持管理の重要性

家は、家族が暮らしを営む大切な場所です。快適で安全な住まいを維持するためには、適切な維持管理が欠かせません。家の設備機器の一つである太陽熱温水器システムも、適切な維持管理を行うことで、長く快適に使用できます。このシステムで重要な役割を担うのが、シスターンタンクです。タンクに貯めた水を温めて利用するため、タンクの状態を良好に保つことが重要となります。

維持管理の一つとして、定期的な点検が挙げられます。点検では、まずタンク本体にひび割れや壊れている部分がないかを確認します。次に、配管から水が漏れていないかを確認します。小さなひび割れやわずかな水漏れでも、放置すると大きな損害に繋がる可能性があります。早期発見、早期対応が大切です。

タンク内部の清掃も大切です。タンクの中には、長年使用していると水に含まれるミネラル分などが固まって、水あかや堆積物が溜まります。これらを放置すると、水質が悪くなったり、タンクの寿命を縮めたりする原因になります。定期的にタンクの中の水を全部抜いて、きれいに掃除することで、これらの問題を防ぐことができます。清掃の頻度は、使用状況や水質によって異なりますが、年に一度は行うのが望ましいです。

さらに、タンクが設置されている場所の周辺も清潔に保つことも大切です。ゴミやほこり、虫などがタンクに入り込むと、衛生面で問題が生じる可能性があります。タンク周辺を常に清潔に保つことで、異物や虫の侵入を防ぎ、より安心して温水を利用することができます。これらの維持管理を適切に行うことで、太陽熱温水器システムを長く安全に利用し、快適な暮らしを続けることができます。

維持管理項目 内容 目的
定期的な点検 タンク本体のひび割れや破損、配管からの水漏れを確認 大きな損害の防止、早期発見・早期対応
タンク内部の清掃 タンク内の水あかや堆積物を除去 水質悪化の防止、タンク寿命の延長
タンク周辺の清掃 ゴミやほこり、虫などの侵入を防ぐ 衛生面の保持、異物混入防止

太陽熱温水器のメリット

太陽熱温水器のメリット

太陽熱温水器は、太陽の光エネルギーを利用してお湯を沸かす装置です。設置することで様々な利点があり、環境とお財布にも優しい暮らしを実現できます。

まず挙げられるのは環境への配慮です。太陽熱温水器は、太陽光という再生可能な自然エネルギーを利用します。そのため、電気やガスでお湯を沸かす場合に比べて、二酸化炭素の排出量を大幅に抑えられます。地球温暖化が深刻化する現代において、家庭から排出される二酸化炭素を削減することは大変重要です。太陽熱温水器の導入は、持続可能な社会の実現に貢献する一歩と言えるでしょう。

次に、家計への大きなメリットとして光熱費の削減が期待できます。太陽が出ている時間は、太陽光でお湯を沸かすことができるので、電気やガスを使う必要が少なくなります。毎日使うお湯の費用を節約できるため、長期的に見ると大きな経済効果が得られます。初期費用はかかりますが、数年で元が取れる場合も少なくありません。光熱費の高騰が続く昨今、太陽熱温水器は家計の負担軽減に大きく役立ちます。

さらに、災害時にも有効な備えとなります。地震や台風などの災害で停電になった場合でも、太陽熱温水器のタンクに貯めた水を利用することができます。断水していなければ、日中は温水も使えますし、タンクに貯水している水は、飲み水や生活用水として利用することも可能です。災害時に温かい水が使えることは、心身ともに大きな安らぎを与えてくれます。

このように、太陽熱温水器は環境保護に貢献しながら、家計にも優しく、非常時にも役立つ、多くの利点を持った優れた装置です。導入を検討してみる価値は大いにあると言えるでしょう。

メリット 説明
環境への配慮 太陽光という再生可能な自然エネルギーを利用するため、CO2排出量を削減できる。
家計へのメリット 光熱費の削減。長期的に見ると大きな経済効果が得られる。
災害時の備え 停電時でもタンクに貯めた水を利用可能。温水も使用可能で、心身の安らぎにつながる。