快適な住まいを実現する機械換気

快適な住まいを実現する機械換気

リフォームを知りたい

先生、機械換気について教えてください。第1種、第2種、第3種があるのはなんとなくわかるのですが、それぞれどんな違いがあるのですか?

リフォーム研究家

良い質問ですね。第1種は、空気を入れるのも出すのも機械を使う方法です。第2種は、空気を入れるのは機械で、出すのは自然の力を使う方法です。そして第3種は、空気を入れるのは自然の力で、出すのは機械を使う方法です。このように空気の出し入れを機械にさせるか、自然にさせるかで種類が分かれています。

リフォームを知りたい

なるほど。入れる機械と出す機械を両方使うのが第1種換気、入れる機械だけ使うのが第2種換気、出す機械だけ使うのが第3種換気ですね。でも、どうして第2種換気は禁止されているのですか?

リフォーム研究家

第2種換気は、外から空気を入れる時は機械を使うので計画的に換気ができますが、空気を出す時は自然の力に頼っているので、うまく空気が出ていかない場合がありました。そのため、十分な換気ができない可能性があり、健康に良くないということで禁止になったのです。

機械換気とは。

家屋の改修や新築における『機械による空気の入れ替え』について説明します。『機械による空気の入れ替え』とは、扇風機のような機械を使って、空気を強制的に出入りさせることです。建築基準法では、人が住む部屋には、常に空気が入れ替わるように、機械による換気設備の設置が義務付けられています。機械による空気の入れ替え方には、機械で空気を取り入れ、機械で空気を排出する第1種、機械で空気を取り入れ、自然に空気を排出する第2種、自然に空気を取り入れ、機械で空気を排出する第3種という種類があります。この中で、第2種は、2003年の建築基準法の改正によって使用が禁止されました。機械による空気の入れ替えの反対は、自然換気です。自然換気には、部屋の中と外の温度差によって起こる空気の重さの違いを利用した換気と、風の力を使った換気があります。自然換気は機械換気と違って電気を必要としないメリットがありますが、状況によっては、必要な換気量を確保できないデメリットもあります。

換気の必要性

換気の必要性

私たちは生きていく上で、呼吸によって酸素を取り込み、二酸化炭素を排出しています。人が集まる部屋の中では、この呼吸によって二酸化炭素の濃度が上がり、酸素の濃度が下がるだけでなく、目に見えない様々な物質が空気中に放出されます。

例えば、家の壁や床、天井に使われている建材や、家具などからは、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物と呼ばれる物質が放出されることがあります。これらは、シックハウス症候群の原因となる有害物質として知られています。また、日常生活で発生する水蒸気も、空気中に過剰に含まれると、窓や壁に結露を発生させ、カビの発生原因となります。カビはアレルギーの原因となるだけでなく、建物の構造材を腐食させるなど、家の寿命を縮める原因にもなります。

このような空気の汚れや過剰な湿気を除去し、新鮮な空気を取り入れるためには、適切な換気が必要不可欠です。窓を開けて自然の風を取り入れる自然換気だけでなく、換気扇や換気システムなどを用いた機械換気を適切に組み合わせることで、室内の空気を常に清潔に保つことができます。

換気が不十分な家は、シックハウス症候群などの健康被害を引き起こす可能性があるだけでなく、建物の劣化を早める原因にもなります。快適で健康的な住まいを維持するためには、適切な換気システムの導入と、その維持管理が重要です。定期的な換気扇の清掃やフィルターの交換、適切な換気方法の実施など、日々の心がけで、より良い住環境を保ちましょう。

発生源 物質 影響
呼吸 二酸化炭素増加、酸素減少
建材、家具 ホルムアルデヒド等

(揮発性有機化合物)
シックハウス症候群
日常生活 水蒸気 結露 → カビ → アレルギー、建物の劣化
対策:換気
自然換気 窓を開ける
機械換気 換気扇、換気システム
換気が不十分な場合
健康被害 シックハウス症候群など
建物の劣化

機械換気の仕組み

機械換気の仕組み

機械換気とは、ファンなどの機械を使って空気を動かし、部屋の空気を入れ替える方法です。換気扇を思い浮かべると分かりやすいでしょう。窓を開けて空気の入れ替えを行う自然換気とは異なり、機械の力で計画的に換気を行うことができます。

機械換気では、新鮮な空気を室内に取り入れる「給気」と、室内の汚れた空気を外に出す「排気」の二つの空気の流れがあります。この二つの流れの組み合わせによって、いくつかの方式に分類されます。

一つ目は、新鮮な空気を機械で取り入れ、汚れた空気も機械で排出する「第1種換気方式」です。給気と排気を機械で行うため、換気量を細かく調整できることや、外気の温度や湿度の影響を受けにくいといった利点があります。室内の気圧を一定に保ちやすいのも特徴です。

二つ目は、新鮮な空気を機械で取り入れ、汚れた空気を自然の風の流れで排出する「第2種換気方式」です。かつては使われていましたが、2003年の建築基準法の改正により、住宅では使えなくなりました

三つ目は、新鮮な空気を自然の風の流れで取り入れ、汚れた空気を機械で排出する「第3種換気方式」です。換気扇で室内の空気を強制的に排出することで、室内に負圧が生じ、自然に外気が入ってきます。構造が簡単で費用を抑えられることが利点です。しかし、外気の温度や湿度、風の影響を受けやすいという欠点もあります。

それぞれの方式には、良い点と悪い点があり、建物の構造や用途、住む人の暮らし方に合わせて、最適な方式を選ぶことが大切です。専門家と相談しながら、快適で健康的な住まいづくりを実現しましょう。

換気方式 給気 排気 特徴 備考
第1種換気方式 機械 機械 換気量の調整が可能、外気の影響を受けにくい、室内の気圧を一定に保ちやすい
第2種換気方式 機械 自然 かつては使用されていた 2003年の建築基準法改正により住宅では使用不可
第3種換気方式 自然 機械 構造が簡単、費用を抑えられる 外気の温度や湿度、風の影響を受けやすい

機械換気のメリット

機械換気のメリット

住まいづくりにおいて、いかに快適な空気環境を作るかは重要な点です。そのための手段として、機械換気は大きな役割を果たします。機械換気には、自然換気と比べて多くの利点があります。

まず挙げられるのは、常に一定量の換気を実現できる点です。窓を開けて行う自然換気は、風の強さや温度差といった自然条件に左右されやすく、換気の量が安定しません。一方、機械換気は、外の環境に関わらず常に一定の換気量を保つことができます。これにより、室内の空気を常に新鮮に保ち、健康的な生活を送る助けとなります。近年の住宅は、断熱性や気密性を高めることで、エネルギー消費を抑える工夫が凝らされています。しかし、気密性の高い住宅では、自然換気だけでは十分な換気を行うことが難しく、空気が淀んでしまう可能性があります。そのため、高気密高断熱住宅では、機械換気は必要不可欠と言えるでしょう。

次に、外気から入ってくる様々な物質を除去できることも大きな利点です。機械換気に組み込まれたフィルターは、花粉や黄砂、PM2.5といった微粒子を捕集し、きれいな空気だけを室内に取り込みます。アレルギーをお持ちの方や、大気汚染が気になる地域にお住まいの方にとっては、大変心強い味方です。また、近年増加している土壌から発生するガスも、換気システムを通して排出することができるので、より健康的な住環境を実現できます。

さらに、冷暖房の効率を高める効果も期待できます。計画的に換気を行うことで、室内の温度を一定に保ちやすくなり、冷暖房の使用を抑えることに繋がります。結果として、エネルギー消費を抑え、光熱費の節約にも貢献します。このように、機械換気は快適な住環境の実現だけでなく、省エネルギーにも繋がる、現代の住宅に欠かせない設備と言えるでしょう。

機械換気のメリット 詳細
一定量の換気の実現 自然換気と違い、風や温度に左右されず、常に一定の換気量を保つ。高気密高断熱住宅では特に重要。
外気からの物質除去 フィルターにより、花粉、黄砂、PM2.5、土壌ガス等を除去し、きれいな空気を取り込む。
冷暖房効率の向上 計画換気により室温を一定に保ち、冷暖房の使用を抑制。省エネ・光熱費節約に貢献。

機械換気のデメリット

機械換気のデメリット

家屋の空気を取り換える方法として、機械を使って換気する方法には、いくつか注意すべき点があります。まず、機械を動かすためには電力が必要です。そのため、窓を開けて空気の流れを作る自然換気と比べると、電気代がかかってしまいます。この費用は、機械の種類や使い方、家の大きさなどによって変わってきますが、無視できない出費となるでしょう。

さらに、機械換気には初期費用と維持費用がかかります。設置費用に加え、フィルターの交換や清掃、故障した際の修理など、維持するためにも費用が発生します。これらの費用は、使う機械の種類や設置場所によって大きく変わります。事前にしっかりと確認し、予算に合うか、無理なく続けられるかを確認する必要があります。

また、機械の種類によっては運転音が気になる場合もあります。特に、寝室や書斎など静かな環境が必要な場所に設置する場合は注意が必要です。静音設計の機械を選ぶ、設置場所を工夫するなど、音への対策を忘れずに行いましょう。最近では、非常に静かな機械も出てきていますので、設置業者とよく相談して、適切な機種を選ぶと良いでしょう。

このように、機械換気には便利な反面、費用や維持管理、運転音など、いくつかデメリットがあります。導入を検討する際は、これらのデメリットをよく理解した上で、家の構造や生活スタイルに合った換気方法を選ぶことが大切です。自然換気と併用するなど、それぞれのメリットデメリットを踏まえて、快適な住まいづくりを目指しましょう。

項目 内容
電気代 機械を動かすための電力が必要。費用は機械の種類や使い方、家の大きさによって変わる。
初期費用と維持費用 設置費用に加え、フィルターの交換や清掃、故障した際の修理などが必要。費用は機械の種類や設置場所によって変わる。
運転音 機械の種類によっては運転音が気になる場合がある。特に寝室や書斎など静かな環境が必要な場所に設置する場合は注意が必要。静音設計の機械を選ぶ、設置場所を工夫するなど、音への対策が必要。

自然換気との比較

自然換気との比較

家の空気を入れ替える方法は大きく分けて二つあります。窓や通気口を開けて風の流れや温度差を利用して換気する『自然換気』と、換気扇などの機械を使って空気を入れ替える『機械換気』です。それぞれに良い点と悪い点があるので、比べてみましょう。

自然換気の一番の利点は、お金がかからないことです。電気代などの維持費は一切不要です。また、機械がないので運転音もありません。静かな環境で過ごしたい方には大きなメリットです。窓を開ければ外の景色や風を感じることができ、自然との一体感も味わえます。

しかし、自然換気には天候に左右されるという大きな欠点があります。風が弱い日や雨の日は、十分な換気ができません。また、外の空気の影響を直接受けるため、花粉やほこり、排気ガスなどが室内に入り込んでしまうのも問題です。温度や湿度も外気の影響を受けやすく、快適な室内環境を保つのが難しい場合もあります。

一方、機械換気は安定した換気量を確保できます。天候に関係なく、常に一定量の空気を入れ替えることができるので、室内の空気環境を一定に保ちやすいです。フィルターを使うことで、花粉やほこりなどを除去することも可能です。

ただし、機械換気には電気代がかかります。また、換気扇の運転音も発生します。初期費用として換気設備の設置費用も必要です。

どちらの換気方法が良いかは、家の特徴や住む人の暮らし方によって異なります。例えば、アレルギー体質の人や、交通量の多い道路に面した家に住んでいる人は、機械換気で空気清浄機能を備えた方が良いでしょう。一方、自然豊かな場所に建つ家で、窓を開けて自然の風を感じながら暮らしたい人は、自然換気を中心とした方が良いかもしれません。

自然換気と機械換気を併用するという方法もあります。例えば、普段は自然換気を中心とし、花粉の多い時期や雨の日などは機械換気を併用することで、より快適な室内環境を実現できるでしょう。

項目 自然換気 機械換気
費用 お金がかからない 電気代、設置費用がかかる
運転音 なし あり
換気量 天候に左右される 安定した換気量
外気の影響 受ける(花粉、ほこり、排気ガス、温度、湿度) フィルターで除去可能
メリット 自然との一体感、維持費不要 安定した換気、空気清浄可能
デメリット 天候に左右される、外気の影響大 費用がかかる、運転音