塗膜の浮き上がり「フクレ」の対策
リフォームを知りたい
先生、リフォームで『フクレ』ってよく聞くんですけど、どういう意味ですか?
リフォーム研究家
『フクレ』は塗料が膨らんで、表面がデコボコになる現象のことだよ。例えるなら、パンケーキを焼いているときに、表面がプツプツと膨らむような感じだね。
リフォームを知りたい
なるほど。どうして膨らむんですか?
リフォーム研究家
いくつか原因があるけど、例えば、塗料が乾かないうちに重ね塗りをすると、中の水分が蒸発して膨らんだり、古い塗料の上に新しい塗料を塗ると、下の塗料が剥がれて膨らんだりするんだ。家の壁にカビが生えていても、同じように膨らむことがあるよ。
フクレとは。
家の修理や新築で使われる言葉に「ふくれ」があります。「ふくれ」とは、塗料の膜が膨らんでしまう欠陥のことです。別名「ブリスター」とも呼ばれます。この「ふくれ」ができる理由はいくつかあります。シンナーなどの揮発性の塗料の場合、乾かないうちに重ね塗りをすると、熱でシンナーが蒸発し、塗料の膜を押し上げて「ふくれ」ができることがあります。また、リシンやスタッコなど、表面がざらざらした壁の場合、下塗りをしても下地が完全に覆われず、小さな穴から湿気や空気が入り込み、塗料の膜を押し上げて「ふくれ」ることがあります。この場合、冬には異常が見られなくても、気温が上がる夏になると「ふくれ」が目立つようになります。さらに、年月が経って塗り直す際に、壁の掃除が不十分だと、カビが生えて「ふくれ」が発生することもあります。
フクレとは
壁や天井の塗装面が、まるで水ぶくれのように膨らんでしまう現象を「ふくれ」と言います。正式には「ブリスター」とも呼ばれ、塗装の欠陥の一つです。一見すると小さな問題のように見えるかもしれませんが、ふくれを放置すると建物の美観を損なうだけでなく、耐久性にも悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
ふくれが生じると、膨らんだ塗膜は剥がれやすくなります。すると、そこから雨水が浸入しやすくなり、建物の腐食や劣化を加速させてしまうのです。例えば、外壁にふくれが発生した場合、雨水が浸入して壁内部の木材が腐朽し、建物の強度が低下する恐れがあります。また、内壁にふくれが生じた場合でも、湿気が壁内部に侵入し、カビやダニの発生原因となる可能性があります。
ふくれの発生原因は様々です。施工時の問題としては、下地の処理が不十分だったり、塗料の希釈が適切でなかったりする場合が挙げられます。また、湿度の高い日に塗装を行った場合や、乾燥時間が不十分なまま次の工程に進んでしまった場合にも、ふくれが生じやすくなります。環境的な要因としては、直射日光や雨風の影響で塗膜が劣化し、ふくれが発生することもあります。
ふくれの発生を防ぐためには、施工時に適切な下地処理を行うこと、適切な塗料を選択すること、そして適切な時期に塗装を行うことが重要です。また、定期的な点検を行い、早期にふくれを発見することも大切です。早期発見と適切な対策を行うことで、建物を長持ちさせることに繋がります。もしふくれを発見した場合には、専門業者に相談し、適切な処置をしてもらうようにしましょう。
現象 | ふくれ(ブリスター) |
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発生箇所 | 壁や天井の塗装面 |
放置した場合のリスク |
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発生原因 |
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予防策 |
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発見時の対応 | 専門業者に相談 |
重ね塗りの注意点
塗装工事において、重ね塗りは美しい仕上がりを得るための重要な工程です。しかし、適切な方法で行わないと、仕上がりに悪影響を及ぼす「膨れ」という現象が発生することがあります。この膨れは、主に溶剤を含む塗料を使用する際に起こりやすく、乾燥前の重ね塗りが原因です。
塗料が乾燥する過程では、塗料に含まれる溶剤が空気中に揮発していきます。この時、未乾燥の塗膜の上に重ね塗りを行うと、下の層に含まれる溶剤が逃げ場を失い、塗膜の内側から圧力をかけてしまうのです。これが膨れの原因です。まるで風船のように、内側から押し上げられた塗膜は、表面が波打ったり、ひび割れたりして、美観を損ねてしまいます。
特に、気温が高い時期や直射日光が当たる場所では、溶剤の揮発が促進されます。そのため、これらの条件下では膨れが発生しやすくなるため、より注意が必要です。重ね塗りを始める前に、必ず前の塗膜が完全に乾燥しているかを確認することが大切です。指で触ってみて、べたつきがないか、塗料の匂いがしないかを確認しましょう。
塗料の乾燥時間は、塗料の種類や気温、湿度によって大きく変化します。そのため、塗料の使用方法をよく読んで、適切な乾燥時間を確保することが不可欠です。表示されている乾燥時間はあくまでも目安であり、実際の環境によってはさらに時間がかかる場合もあります。焦らず、じっくりと乾燥させることで、膨れの発生を防ぎ、滑らかで美しい仕上がりを実現できます。少しの待ち時間が、最終的な仕上がりの質を大きく左右するのです。
現象 | 原因 | 対策 |
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塗膜の膨れ | 未乾燥の塗膜への重ね塗りにより、下の層の溶剤が揮発できず、塗膜を内側から押し上げるため。
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ザラザラした壁の注意点
表面がざらざらとした壁材、例えばリシンやスタッコなどは、独特の風合いが魅力です。しかし、これらの壁に塗装をする際には、注意が必要となる点があります。それは、下塗りの丁寧さです。下塗りが不十分だと、塗膜の膨れ、いわゆる「ふくれ」が発生しやすくなってしまうのです。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。リシンやスタッコといった壁材は、表面に微細な凹凸がたくさんあります。そのため、下塗り塗料がこれらの凹凸の隅々まで行き渡らず、小さな空洞が壁材と塗膜の間に残ってしまうことがあるのです。冬場は気温が低いため、この空洞内の空気はそれほど膨張しません。そのため、一見すると問題がないように見えます。しかし、気温が上昇する夏場になると状況が変わります。空洞内の空気が熱によって膨張し、塗膜を内側から押し上げてしまうのです。これが「ふくれ」の原因です。一度ふくれてしまうと、見た目が悪くなるだけでなく、塗膜の剥がれに繋がることもあります。
このような事態を防ぐためには、下塗りを丁寧に行うことが何よりも重要です。下塗り塗料をしっかりと壁材に馴染ませ、凹凸を完全に埋めるようにしましょう。そのためには、適切な粘度の下塗り塗料を選ぶこと、そして刷毛やローラーを使って丁寧に塗布することが大切です。場合によっては、下塗りを複数回繰り返すことで、より確実な施工ができます。また、下塗り塗料が完全に乾いてから上塗り塗料を塗ることも忘れずに行いましょう。少しの手間をかけることで、美しい仕上がりを長く保つことができます。
塗り替え時の注意点
家の塗り替えは、見た目を美しくするだけでなく、建物を風雨から守る大切な役割を果たします。しかし、ただ塗料を塗るだけでは十分ではありません。既存の塗膜の上に重ね塗りする場合、下準備として洗浄作業が非常に重要になります。
洗浄が不十分だと、せっかく塗り替えたのに仕上がりに問題が生じることがあります。例えば、塗膜の膨れです。これは、古い塗膜の表面に付着した汚れ、カビ、藻などがきちんと除去されていないことが原因で起こります。これらの汚れは、新しい塗料と壁の密着性を悪くします。すると、塗料がしっかりと壁に定着せず、浮いてきてしまうのです。まるで、セロハンテープを埃っぽい場所に貼るとすぐに剥がれてしまうように、汚れは塗料の密着を妨げるのです。
さらに、残った汚れやカビは、新しい塗料の下で繁殖することもあります。湿気を含んだ塗料の下は、カビや藻にとって絶好の繁殖場所となります。そして、繁殖したカビや藻がガスを発生させ、それが塗膜を押し上げて膨らませてしまうのです。まるでパン生地の中でイースト菌が発酵して膨らむように、塗膜の下でカビが繁殖し、塗膜を膨張させるのです。
このようなトラブルを防ぐためには、高圧洗浄機などで丁寧に汚れを落とすことが大切です。高圧洗浄機は、強力な水圧で汚れを洗い流すことができるので、普通の水道ホースを使うよりも効果的です。ただし、高圧洗浄機の使いすぎは、既存の塗膜を傷つけてしまう可能性があるので、注意が必要です。洗浄後は、壁の表面が完全に乾いてから新しい塗料を塗るようにしましょう。水分が残っていると、塗料がうまく密着せず、剥がれの原因になります。
適切な洗浄は、塗膜の美しさや耐久性を長く保つために欠かせません。少しの手間をかけるだけで、仕上がりが格段に良くなり、塗り替えの効果も長持ちします。家の塗り替えを検討している方は、ぜひ洗浄の重要性を覚えておいてください。
適切な対処法
壁に膨らみができてしまった場合は、そのままにしておかず、速やかに対応することが大切です。もし膨らみが小さいものであれば、自分で直すことも可能です。まず、鋭利な刃物で膨らみを丁寧に切り開き、中の空気を抜きます。その後、穴埋め材を使って平らにならし、上から塗料を塗って仕上げれば、元通りになります。しかし、膨らみが広範囲に及んでいる場合は、自分での修理は避け、専門の業者に相談することを強くお勧めします。
専門の業者であれば、膨らみが発生した原因を的確に見極め、適切な方法で修理してくれます。例えば、壁内部の湿気が原因であれば、湿気の発生源を特定し、適切な対策を施してくれます。また、塗料の劣化が原因であれば、適切な塗料を選び直し、塗り替えてくれます。このような専門家の的確な対応は、建物の劣化を防ぎ、外観の美しさも保つことに繋がります。
家の寿命を延ばすためには、日頃から壁の状態に気を配り、異変に気付いたらすぐに対応することが重要です。小さな膨らみを見つけた段階で適切な処置を行えば、大掛かりな修理が必要になる事態を防ぐことができます。また、定期的に専門業者に点検を依頼することも、建物の健康状態を維持するために有効な手段です。早期発見と適切な対応こそが、建物を長持ちさせるための秘訣と言えるでしょう。