建築面積を理解して、理想の家を実現
リフォームを知りたい
先生、「建築面積」って、2階建ての家だと1階の面積のことですよね?
リフォーム研究家
うーん、そうとも限らないよ。1階より2階の方が床面積が広い場合は、2階の床面積が建築面積になるんだ。
リフォームを知りたい
じゃあ、もし3階建ての家で、3階が屋裏部屋みたいになってて一番狭くて、2階が一番広かったら、2階の床面積が建築面積になるんですか?
リフォーム研究家
その通り!一番広い階の床面積が建築面積になるんだね。ただし、地下室や、外壁から少しだけ出ている軒や小さな出窓などは建築面積には含まれないから注意が必要だよ。
建築面積とは。
「家の改築」や「家づくり」でよく聞く「建築面積」について説明します。「建築面積」とは、建物の外壁、もしくは柱の中心で囲まれた部分を真上から見たときの面積のことです。これは、建物の影の面積と考えると分かりやすいでしょう。この面積は、敷地に建てられる建物の大きさを決める「建ぺい率」を計算する時に使われます。もし、家が平屋か、1階と2階が同じ形で、もしくは1階の方が広い場合は、「1階の面積=建築面積」となります。2階建て以上の家で、2階以降の方が広い場合は、一番広い階の床面積が建築面積になります。地下室のように地面より1メートル以上低い場所にある部屋は、建築面積には含まれません。また、軒やひさし、ベランダなども通常は建築面積に含めません。ただし、外壁の中心から1メートル以上突き出ている場合は、先端から1メートル下がったところまでの面積を含めます。出窓の場合は、床から30センチメートル以上の高さで、壁から50センチメートル以内であれば建築面積に含めませんが、それ以外の場合は建築面積に含めます。
建築面積とは何か
家は一生に一度の大きな買い物とも言われます。だからこそ、家を建てる際には様々な専門用語を理解することが大切です。その中でも「建築面積」は、家を建てる上で重要な要素の一つです。
建築面積とは、建物を真上から見た時の、その影の面積と考えれば分かりやすいでしょう。もう少し詳しく説明すると、建物の外壁、もしくは柱の中心線で囲まれた部分を真上から見た時の面積のことを指します。この面積は、敷地に家をどの程度の大きさで建てられるのかを示す「建ぺい率」を計算する際の基準となります。
例えば、平屋建ての住宅を考えてみましょう。この場合、1階の床面積がそのまま建築面積となります。同じように、2階建てでも、1階と2階の床面積が同じ大きさの場合、あるいは1階の方が広い場合は、1階の床面積が建築面積と等しくなります。
では、2階建て以上の住宅で、2階以上の階が1階よりも広い場合はどうなるのでしょうか。この場合は、最も広い階の床面積が建築面積となります。例えば、1階部分が60平方メートルで、2階部分が80平方メートル、3階部分が70平方メートルの3階建ての住宅の場合、建築面積は最も広い2階の80平方メートルとなります。
このように、建築面積は、住宅の水平方向の広がりを表す大切な数値です。敷地の広さや建ぺい率によって、建てられる家の大きさが制限されるため、家造りを始める際には、まず建築面積についてしっかりと理解しておくことが重要です。
階数 | 1階床面積 | 2階床面積 | 3階床面積 | 建築面積 |
---|---|---|---|---|
平屋 | 1階床面積 | – | – | 1階床面積 |
2階建 | 1階床面積 | 2階床面積 ≤ 1階床面積 | – | 1階床面積 |
2階建 | 1階床面積 | 2階床面積 > 1階床面積 | – | 2階床面積 |
3階建 | 60㎡ | 80㎡ | 70㎡ | 80㎡ |
建築面積に含まれないもの
家を建てる際、敷地の広さや建物の規模を考える上で「建築面積」は重要な要素です。建築面積とは、建物の水平投影面積のことを指しますが、この面積には含まれない部分もいくつかあります。まず、地下室のように地盤面から1メートルより深い場所に位置する部分は、建築面積に算入されません。地下室は地中に埋まっているため、地上の建築面積には影響を与えないと考えられるからです。
次に、軒や庇、バルコニーといった部分は、基本的に建築面積には含まれません。これらは屋根や壁から外側に突き出した部分ではありますが、建物の主要な居住空間ではないためです。しかし、外壁の中心線から1メートル以上外に突き出している場合には、注意が必要です。その場合、先端から1メートル後退させた部分までは建築面積に含まれてしまいます。例えば、外壁の中心線から2メートル突き出したバルコニーの場合、外壁の中心線から1メートル分は建築面積に算入されることになります。
また、窓の外側に突き出した出窓についても、建築面積に含まれる場合と含まれない場合があります。床面からの高さが30センチメートル以上で、かつ壁面からの突出が50センチメートル以下の小さな出窓の場合は、建築面積に含まれません。しかし、それより大きく、床面からの高さが30センチメートル未満、もしくは壁面からの突出が50センチメートルを超える出窓は、建築面積に算入されます。
このように、建築面積には細かい規定があります。これらの規定を正しく理解しておくことで、正確な建築面積を把握し、敷地の有効活用や適切な家づくりを進めることができます。建築面積は、建物の規模や配置、さらには建築費用にも関わってくる大切な要素ですので、家づくりを始める際にはしっかりと確認しておきましょう。
部位 | 条件 | 建築面積への算入 |
---|---|---|
地下室 | 地盤面から1mより深い | 含まれない |
軒、庇、バルコニー | 外壁の中心線から1m以内 | 含まれない |
軒、庇、バルコニー | 外壁の中心線から1m以上 | 先端から1m後退させた部分まで含まれる |
出窓 | 床面からの高さが30cm以上 壁面からの突出が50cm以下 |
含まれない |
出窓 | 床面からの高さが30cm未満、または 壁面からの突出が50cm超 |
含まれる |
建ぺい率との関係
家を建てる際には、敷地の広さに合った適切な建物の大きさにする必要があります。この建物の大きさを決める上で重要なのが「建ぺい率」です。建ぺい率とは、敷地の面積に対して、建物を建てられる面積の割合を示すものです。例えば、敷地の面積が100平方メートルの場合、建ぺい率が60%であれば、建物の面積は最大で60平方メートルまでとなります。
この建ぺい率は、建築基準法という法律によって定められており、地域によって異なります。住宅街や商業地域など、用途地域によって建ぺい率が異なるだけでなく、同じ用途地域内でも、防火地域や準防火地域といった指定によって、さらに細かく規定されている場合があります。そのため、家を建てる際には、事前に自分の敷地の建ぺい率を確認することが不可欠です。
建ぺい率は、なぜ重要なのでしょうか?それは、周辺環境への影響を最小限に抑え、良好な住環境を保つために必要だからです。建ぺい率を守ることで、建物と建物の間に適切な空間を確保し、日当たりや風通しを良くすることができます。また、火災が発生した場合にも、延焼を防ぐ効果が期待できます。
建ぺい率を理解することは、敷地に合った適切な規模の住宅を計画する上で非常に大切です。大きな家を建てたいと思っても、建ぺい率によって制限されるため、希望通りの家が建てられない場合もあります。建ぺい率を事前に確認することで、現実的な計画を立て、敷地を最大限に活用した理想の住まいを実現することができます。例えば、建ぺい率が低い場合でも、建物の階数を増やすことで、延べ床面積を広くすることができます。建ぺい率以外にも、容積率といった制限もあるため、これらの規制を理解した上で、建築士などの専門家と相談しながら、計画を進めることが大切です。
項目 | 内容 |
---|---|
建ぺい率の定義 | 敷地の面積に対して、建物を建てられる面積の割合 |
算出例 | 敷地面積100㎡、建ぺい率60%の場合、建物の面積は最大60㎡ |
法的根拠 | 建築基準法(地域によって異なる) |
地域差 | 用途地域(住宅街、商業地域など)、防火地域、準防火地域などにより異なる |
重要性 | 周辺環境への影響を最小限に抑え、良好な住環境を保つため(日当たり、風通し、延焼防止など) |
注意点 | 建ぺい率により希望通りの家が建てられない場合もある。階数を増やすことで延べ床面積を広くすることも可能。容積率などの他の規制も考慮する必要あり。専門家との相談が重要。 |
容積率との違い
家は、敷地の広さによって建てられる規模が限られます。この規模を左右する大切な要素として、建築面積と容積率があります。どちらもよく似た言葉で混同しがちですが、実は全く異なるものです。
建築面積とは、建物を真上から見た時の地面に覆いかぶさっている部分の面積です。簡単に言うと、建物の1階の水平投影面積と考えて差し支えありません。例えば、真四角で1辺が10メートルの2階建ての家を建てた場合、建築面積は10メートル × 10メートル = 100平方メートルとなります。
一方、容積率とは、敷地面積に対する延床面積の割合です。延床面積とは、各階の床面積の合計です。例えば、先ほどの例で、2階の床面積も1階と同じ100平方メートルだとすると、この家の延床面積は100平方メートル + 100平方メートル = 200平方メートルとなります。もし、敷地面積が200平方メートルだった場合、容積率は200平方メートル ÷ 200平方メートル × 100% = 100%となります。
容積率は、建築基準法によって地域ごとに定められています。例えば、住宅地では容積率が50%や100%、商業地域では800%や1000%などに設定されている場合があります。これは、地域によって建物の高さを制限し、日当たりや風通しを確保するためです。もし、容積率が100%の地域で敷地面積が200平方メートルの場合、建てられる延床面積の上限は200平方メートルとなります。
建築面積と容積率は、どちらも建物の規模を規制する上で重要な指標です。家を建てる際には、それぞれの違いを正しく理解し、法的な制限を遵守した上で、適切な規模の住宅を計画することが大切です。
項目 | 定義 | 算出方法 | 例 | 規制 | 目的 |
---|---|---|---|---|---|
建築面積 | 建物を真上から見た時の地面に覆いかぶさっている部分の面積(1階の水平投影面積) | 一辺10mの真四角の建物:10m × 10m = 100㎡ | 一辺10mの真四角の建物:100㎡ | – | – |
容積率 | 敷地面積に対する延床面積の割合 | 延床面積 ÷ 敷地面積 × 100% | 敷地面積200㎡、延床面積200㎡の場合:200㎡ ÷ 200㎡ × 100% = 100% | 建築基準法により地域ごとに定められている(例:住宅地50%や100%、商業地域800%や1000%など) | 日当たりや風通しを確保するため |
建築面積の確認方法
家を建てたり、リフォームしたりする際には、建築面積を正しく把握することが大切です。建築面積とは、建物の外壁の真上から見た時の水平投影面積のことを指します。
建築面積を確認する一番確実な方法は、建物の設計図書を見ることです。設計図書には、建物の詳細な寸法や面積が記載されています。平面図を確認すれば、建物の外壁の形状や位置が分かり、そこから建築面積を計算することができます。もし設計図書がない場合は、建物の登記簿謄本に記載されている場合もあります。登記簿謄本は、法務局で取得できます。
また、お住まいの自治体の建築指導課に問い合わせるのも有効な手段です。建築指導課では、その地域の建築基準法に関する情報提供を行っています。建築基準法では、敷地面積に対する建築面積の割合(建ぺい率)や、敷地面積に対する延べ面積の割合(容積率)が定められています。これらの率は地域によって異なるため、事前に確認が必要です。建ぺい率や容積率を超えて建築することはできません。
家を建てる際やリフォームを計画する際には、建ぺい率や容積率を考慮した上で、建築面積を決定することが重要です。例えば、敷地面積が100平方メートルで、建ぺい率が60%の場合、建築面積は最大で60平方メートルとなります。建築面積が大きすぎると、建ぺい率を超えてしまい、建築許可が下りない可能性があります。逆に、建築面積が小さすぎると、希望する間取りを実現できない場合もあります。
建築面積を理解し、関連法規を遵守することで、安全で快適な住まいを実現できるだけでなく、近隣とのトラブルも防ぐことができます。専門家である設計士や工務店に相談しながら、計画を進めることをお勧めします。
項目 | 内容 |
---|---|
建築面積の定義 | 建物の外壁の真上から見た時の水平投影面積 |
建築面積の確認方法 | 1. 設計図書を確認 2. 登記簿謄本を確認 3. 自治体の建築指導課に問い合わせ |
関連法規 | 建築基準法(建ぺい率、容積率) |
建ぺい率 | 敷地面積に対する建築面積の割合 |
容積率 | 敷地面積に対する延べ面積の割合 |
建築面積決定の重要性 | 建ぺい率・容積率の遵守、希望する間取りの実現 |
専門家への相談 | 設計士、工務店 |
まとめ
家は一生に一度の大きな買い物とも言われ、間取りやデザインだけでなく、敷地の広さや法的規制についても理解しておく必要があります。特に「建築面積」は、家を建てる上で非常に重要な要素です。建築面積とは、簡単に言うと建物の水平投影面積のこと。つまり、建物を真上から見た時の面積です。この面積は、敷地にどれくらいの大きさの家を建てられるかを決定づける「建ぺい率」を計算する基礎となります。建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことです。例えば、敷地面積が100平方メートルで、建ぺい率が60%の場合、建築面積は最大で60平方メートルまでとなります。
では、建築面積には具体的に何が含まれるのでしょうか?建物の外壁の中心線で囲まれた部分が建築面積となり、当然、部屋や廊下、浴室、トイレなども含まれます。しかし、地下室や容積率に算入されない小屋裏収納、一定の条件を満たす出窓などは建築面積に含まれません。また、軒や庇、バルコニーなども、一定の距離までは建築面積に算入されません。ただし、これらの部分は、その大きさや形状によって算入される場合もありますので、注意が必要です。
建築面積と建ぺい率を理解することは、敷地に合った適切な規模の家を計画する上で非常に大切です。建築面積が大きすぎると、庭や駐車場のスペースが狭くなってしまいますし、建ぺい率を超えてしまうと、そもそも家を建てることができなくなってしまいます。快適な住環境を確保するためにも、建築面積と建ぺい率をしっかりと理解し、専門家と相談しながら計画を進めるようにしましょう。夢のマイホームを実現するためには、これらの基礎知識を身につけておくことが重要です。
用語 | 説明 | 具体例 |
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建築面積 | 建物の水平投影面積(真上から見た時の面積) | 家の部屋、廊下、浴室、トイレなど外壁の中心線で囲まれた部分 |
建ぺい率 | 敷地面積に対する建築面積の割合 | 敷地面積100㎡、建ぺい率60%の場合、建築面積は最大60㎡ |
算入されないもの | 地下室、容積率に算入されない小屋裏収納、一定条件の出窓、一定距離までの軒・庇・バルコニーなど |
ポイント
- 建築面積と建ぺい率は、敷地に合った家の規模を計画する上で重要
- 建築面積が大きすぎると庭や駐車場が狭くなる
- 建ぺい率を超えると家を建てられない
- 専門家と相談しながら計画を進める