CASBEEで環境に優しい家づくり

CASBEEで環境に優しい家づくり

リフォームを知りたい

先生、『CASBEE』(キャスビー)ってよく聞くんですけど、何のことかよく分かりません。教えてください。

リフォーム研究家

CASBEEは、建物が環境にどのくらい良いか悪いかを評価する方法だよ。簡単に言うと、星の数で建物の環境性能を評価するシステムのことだ。星が多いほど環境に優しい建物と言えるね。

リフォームを知りたい

なるほど。星の数で評価されるんですね。具体的には何を評価するんですか?

リフォーム研究家

例えば、建物の断熱性や、太陽光発電システムの導入、建材に環境に配慮した材料を使っているかなどを評価するんだ。評価項目は様々で、総合的に判断して星の数で評価が決まるんだよ。

CASBEEとは。

「家の改修」と「家づくり」について使う言葉、「建築環境総合性能評価システム(略すとキャスビー)」について説明します。これは、建物や土地が環境にどう影響するかを評価する方法です。建物の環境性能を5段階で評価し、星の数で表します。星の数が多いほど、環境への負担が少ない建物ということになります。

環境評価システムとは

環境評価システムとは

建物を作るということは、環境に少なからず影響を与えます。使用する材料の採取から製造、輸送、建設、運用、そして解体に至るまで、様々な段階でエネルギーが消費され、二酸化炭素などの温室効果ガスが排出されます。そこで、建物の環境への優しさを客観的に評価するために作られたのが、環境評価システムです。

環境評価システムの一つにCASBEE(キャスビー)があります。これは、建築環境総合性能評価システム(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)の略称で、簡単に言うと、建物がどれくらい環境に配慮しているかを評価する仕組みです。評価の対象となる項目は多岐に渡ります。例えば、建物の断熱性を高めて冷暖房に必要なエネルギーを少なくする工夫や、太陽光発電システムの導入による再生可能エネルギーの活用、建材に再利用可能な材料を使う取り組みなどが挙げられます。また、雨水の利用や緑化など、周辺環境との調和も評価の対象となります。

CASBEEでは、これらの様々な要素を総合的に評価し、建物の環境性能を星の数(最大5つ星)で表します。星の数が多いほど、環境への負荷が小さく、環境に優しい建物であることを示します。新築だけでなく、既存の建物の改修工事も評価の対象となりますので、リフォームで環境性能を高めることも可能です。CASBEEは、環境に配慮した家づくりやリフォームを行う上で、設計者や施工業者、そして施主にとって重要な指標となります。環境への意識が高まる現代において、CASBEEのような環境評価システムは、より良い住まいと持続可能な社会の実現に貢献していくでしょう。

項目 詳細
環境評価システムの目的 建物の環境への優しさを客観的に評価するため
CASBEEとは 建築環境総合性能評価システム(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)の略称。建物がどれくらい環境に配慮しているかを評価する仕組み。
CASBEEの評価対象 建物の断熱性、太陽光発電システムの導入、再利用可能な材料の使用、雨水の利用、緑化など
CASBEEの評価方法 様々な要素を総合的に評価し、建物の環境性能を星の数(最大5つ星)で表す。星の数が多いほど環境に優しい。
CASBEEの対象 新築、既存建物の改修工事
CASBEEの意義 設計者、施工業者、施主にとって環境に配慮した家づくりやリフォームを行う上で重要な指標。より良い住まいと持続可能な社会の実現に貢献。

評価の仕組み

評価の仕組み

建物における環境への配慮は、これからますます重要になってきます。建物の環境性能を評価する仕組みとしてCASBEEがあります。CASBEEは、様々な視点から建物の環境性能を評価します。具体的には、エネルギーの節約、資源の節約、再利用、地球環境への影響、室内の環境といった項目が評価対象となります。

エネルギーの節約という点では、断熱材を厚くすることで、エネルギーの消費を抑える工夫が評価されます。冬は暖かく、夏は涼しく保つことで、冷暖房に使うエネルギーを減らすことができます。資源の節約では、地産地消の考えに基づき、地域で採れた木材を使うことが評価されます。輸送にかかるエネルギーを少なくすることで、二酸化炭素の排出量を減らすことができます。また、再利用できる材料を使うことも資源の節約につながり、評価の対象となります。地球環境への影響を少なくするために、太陽光発電を設置するといった工夫も評価されます。太陽光発電は、太陽の光を利用して電気を作るため、地球環境への負担が少ない再生可能エネルギーです。室内の環境という点では、自然光を取り入れる工夫や、風通しをよくする設計などが評価されます。明るく風通しの良い家は、住む人の健康にも良い影響を与えます。

これらの項目ごとに点数がつけられ、合計点に基づいて星の数で総合的な評価が示されます。星の数が多いほど、環境性能が高い建物であることを示します。この評価方法は、新しく建物を建てる時だけでなく、既に建っている建物のリフォームにも適用できます。環境に配慮したリフォームを行うことで、既存の建物をより環境に優しいものへと改善し、評価を上げることができます。例えば、断熱材を追加したり、窓を複層ガラスに交換することで、エネルギーの節約につながります。また、太陽光発電システムを設置することも有効な手段です。このように、CASBEEは、新築だけでなく、リフォームにおいても環境性能の向上を促すための、役立つ仕組みとなっています。

評価項目 具体的な工夫
エネルギーの節約 断熱材を厚くする
資源の節約 地域で採れた木材を使用する、再利用できる材料を使う
地球環境への影響 太陽光発電を設置する
室内の環境 自然光を取り入れる工夫、風通しをよくする設計

評価方法:各項目に点数→合計点で星の数表示(星が多いほど環境性能が高い)
適用対象:新築、リフォーム

メリット

メリット

建物環境総合性能評価システム、略してCASBEEを住宅に用いる利点は数多くあります。まず第一に、建物の環境に対する性能を、誰にとっても分かりやすい形で評価できる点です。星の数で評価が示されるので、環境への配慮を第三者に説明しやすくなります。また、CASBEEの高い評価を得られるように設計することで、様々な恩恵が期待できます。冷暖房にかかる費用を抑えられ、建物の寿命を延ばし、快適な室内環境を実現できるといった良い点が挙げられます。環境に優しいだけでなく、住む人にとっても心地よく、経済的な負担が少ない住まいを実現できるのです。

第二に、CASBEEは建物の設計段階から環境性能を考慮するよう促します。評価項目には、エネルギー消費量、水使用量、廃棄物発生量など、多岐にわたる環境負荷低減への取り組みが含まれます。設計者はこれらの項目を満たすため、建物の断熱性能を高めたり、太陽光発電システムを導入したりといった工夫を凝らすことになります。これは、単に環境に配慮するだけでなく、建物の機能性や快適性を向上させることにも繋がります。

さらに、CASBEEは地球環境保全にも貢献します。より多くの建物がCASBEEの高い評価を得られるよう設計、建築されることで、地球温暖化防止や資源の有効活用に繋がります。CASBEEの普及は、持続可能な社会の実現に向けて重要な役割を果たすでしょう。このようにCASBEEを活用することは、環境保護の観点だけでなく、居住者の快適性や経済性、ひいては社会全体の持続可能性を高めることにも繋がる、大変有益な取り組みと言えるでしょう。

CASBEEを用いる利点 詳細
分かりやすい評価 星の数で評価が示されるため、第三者への説明が容易。
居住者へのメリット 光熱費削減、建物の長寿命化、快適な室内環境の実現。
設計段階からの環境配慮 エネルギー、水、廃棄物など多岐にわたる環境負荷低減への取り組みを促進。建物の機能性や快適性の向上にも繋がる。
地球環境保全への貢献 地球温暖化防止や資源の有効活用に貢献。持続可能な社会の実現を促進。
総合的なメリット 環境保護、居住者の快適性と経済性、社会全体の持続可能性の向上に貢献。

活用事例

活用事例

建物総合環境性能評価システム(CASBEE)は、事務所ビル、お店、学校、病院など、様々な種類の建物で活用されています。その活用事例は多岐に渡り、建築主の目的や建物の種類によって様々です。

例えば、環境に配慮した事務所ビルを建てる企業が増えています。緑化や太陽光発電設備の導入、省エネルギーな空調システムの採用など、CASBEEの評価項目を意識した建物を建てることで、企業の印象を良くしたり、そこで働く人たちの満足度を高めたりといった効果を狙うことができます。また、CASBEEで高い評価を得た建物を宣伝に活用することで、企業の環境への取り組みを広く知ってもらうことも可能です。

学校や公民館などの公共施設でも、CASBEEの活用が進んでいます。環境に優しい建物を建てるだけでなく、その建物の特徴を説明するパネルを設置したり、環境学習の場として活用したりすることで、子供たちや地域の人々に環境問題への意識を高めてもらう機会を提供しています。

近年では、個人の住宅でもCASBEEの考え方が取り入れられるようになってきました。太陽光発電や断熱材の活用、省エネ家電の導入など、環境性能に優れた住宅を建てることで、光熱費の削減だけでなく、地球環境への貢献も実現できます。CASBEEの評価を受けることで、住宅の環境性能を客観的に示すことができ、資産価値の向上にも繋がります。

このように、CASBEEは、建築業界全体で環境への意識を高めるための重要な道具として、ますます活躍の場を広げていくと考えられます。

建物種類 CASBEE活用事例 効果
事務所ビル 緑化、太陽光発電、省エネ空調 企業イメージ向上、従業員満足度向上、企業の環境取り組みPR
学校、公共施設 環境に優しい建物、説明パネル設置、環境学習の場 子供、地域住民の環境意識向上
個人住宅 太陽光発電、断熱材、省エネ家電 光熱費削減、環境貢献、資産価値向上

これからの家づくり

これからの家づくり

地球規模で環境問題が深刻さを増す現代において、住まいづくりにおいても環境への配慮は欠かせない要素となっています。これから家を建てる、あるいはリフォームを考える際には、環境負荷を低減するための工夫を積極的に取り入れることが大切です。

CASBEE(建築環境総合性能評価システム)は、環境性能に優れた建物を評価するシステムであり、環境に優しい家づくりを目指す上で強力な指針となります。CASBEEの評価基準を参考に、具体的な対策を検討してみましょう。

まず、断熱性能の高い建材を使用することで、冷暖房効率を高め、エネルギー消費量を抑えることができます。夏には外の暑さを室内に伝えにくく、冬には室内の暖かさを逃がしにくい構造にすることで、一年を通して快適な室温を保ちつつ、光熱費の削減にも繋がります。

次に、太陽光発電システムの導入も有効な手段です。太陽の光エネルギーを利用して電気を作り出すことで、化石燃料への依存を減らし、二酸化炭素の排出量削減に貢献できます。さらに、余剰電力を電力会社に売却することも可能なため、家計にも優しいシステムと言えるでしょう。

他にも、自然エネルギーの活用として、太陽熱温水器の設置や、地中熱を利用した冷暖房システムの導入なども検討できます。地域の気候や風土に合った自然エネルギーを活用することで、より環境負荷の低い、持続可能な住まいを実現することが可能になります。

CASBEEは、建物の環境性能を評価するだけのシステムではありません。CASBEEを活用した家づくりは、地球環境の保全に貢献するとともに、そこで暮らす人々の健康で快適な生活にも繋がります。未来の世代、そして私たち自身のより良い暮らしのために、CASBEEの考え方を積極的に取り入れ、環境に配慮した家づくりを進めていきましょう。

対策 説明 効果
断熱性能の高い建材の使用 夏は外の暑さを室内に伝えにくく、冬は室内の暖かさを逃がしにくい構造にする。 冷暖房効率向上、エネルギー消費量削減、光熱費削減、快適な室温の維持
太陽光発電システムの導入 太陽光エネルギーを利用して電気を作り出す。 化石燃料への依存軽減、二酸化炭素排出量削減、余剰電力の売電による家計への貢献
自然エネルギーの活用 太陽熱温水器の設置、地中熱を利用した冷暖房システムの導入など。 環境負荷の低い、持続可能な住まいの実現