壁に埋め込むエアコン:メリットとデメリット
リフォームを知りたい
先生、壁埋込形のエアコンについてよくわからないのですが、教えていただけますか?
リフォーム研究家
壁埋込形エアコンは、壁の中に埋め込んで設置するエアコンのことだよ。壁の表面には、エアコンの風が通るための格子状の部品をつけるので、エアコン本体は見えなくなるんだ。だから、部屋の中をすっきり見せることができるんだよ。
リフォームを知りたい
なるほど。見た目がきれいなのはいいですね。でも、何かデメリットはありますか?
リフォーム研究家
そうだね。壁埋込形のエアコンは、普通の壁掛けエアコンよりも値段が高いことが多いんだ。それに、掃除や修理のときには、壁を開ける必要がある場合もあるから、手間がかかることもあるんだよ。それと、選べる機種が少ないという点もデメリットと言えるね。
壁埋込形とは。
「お家の模様替え」や「新しい家を作る」時に知っておきたい言葉に「壁埋め込み式」というものがあります。これは、エアコンを壁の中に埋め込んでしまう方法のことです。壁の表面には、細い格子状の「ガラリ」と呼ばれる建具を取り付けて、そこから風が出てくるようにします。エアコン本体は部屋の中には見えないので、壁や部屋全体がすっきりとして、おしゃれな雰囲気になります。壁埋め込み式にする場合は、普通は先に壁の中に配管を通しておきます。壁を作る作業と一緒にエアコンを設置するので、家を新しく建てたり、部屋を増築したりする時に行います。既に壁がある場合は、大工さんに工事をしてもらわないといけません。壁をすっきりさせることができる一方で、壁埋め込み式にできるエアコンは値段が高く、掃除や修理をするのが大変という欠点もあります。それに、どのメーカーも、壁掛け式のエアコンよりも種類が少ないです。
見た目すっきり、空間を広く
壁埋込形エアコンは、その名の通り壁の中に収められていますので、エアコン本体が目に付きません。そのため、壁面がすっきりとした印象になり、部屋全体を広く見せる効果があります。特に、限られた空間を有効活用したい場合や、無駄を省いたすっきりとした内装の家に好適です。
壁埋込形エアコンは、従来の壁掛け型エアコンのように、壁面から本体が飛び出ることがありません。そのため、エアコンの存在感が薄まり、圧迫感のない開放的な空間を演出できます。部屋全体の雰囲気を損なうことなく、心地よい温度環境を実現できる点が大きな魅力と言えるでしょう。
また、設置場所を選ばないというメリットもあります。壁掛け型エアコンの場合、設置場所が限られることがありますが、壁埋込形エアコンは、天井付近のデッドスペースになりがちな場所に設置できるため、家具の配置の自由度も高まります。さらに、吹き出し口のデザインも多種多様です。インテリアの雰囲気に合わせて、吹き出し口の形状や色を選ぶことができますので、より洗練された空間を作り出すことができます。例えば、和風の住宅には木目調の吹き出し口、洋風の住宅には金属製の吹き出し口など、住まいの雰囲気と調和するデザインを選ぶことができます。
壁埋込形エアコンは、初期費用は高額になる傾向がありますが、長い目で見れば、快適性やデザイン性、空間効率の向上など、多くのメリットがあります。新築やリフォームの際には、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
メリット | 詳細 |
---|---|
空間効率の向上 | 壁の中に収まるため、部屋全体を広く見せる効果がある。限られた空間を有効活用したい場合に最適。 |
圧迫感の軽減 | 壁面から本体が飛び出さないため、圧迫感のない開放的な空間を演出できる。 |
設置場所の自由度 | 天井付近のデッドスペースにも設置可能。家具の配置の自由度を高める。 |
デザイン性の高さ | 吹き出し口のデザインが多種多様。インテリアに合わせたデザインを選べる。 |
快適性 | 心地よい温度環境を実現。 |
デメリット | 初期費用が高額になりがち |
設置工事の注意点
壁の中に埋め込むタイプの空調機器を設置する際には、いくつか注意すべき点があります。まず、機器本体や配管を通すための空間を壁の中にあらかじめ作っておく必要があるということです。このため、新しく家を建てたり、部屋を増築したり、あるいは大掛かりな改修工事を行う際に、壁を作るのと同時に設置工事を行うのが一般的です。
既に壁がある場合に埋め込み式の空調機器を設置しようとすると、壁を一度壊して中の構造を確認し、機器を設置するための空間を確保する大工仕事が必要になります。そのため、工事にかかる費用が増えたり、工期が長引いたりする可能性もあるので注意が必要です。また、設置場所によっては設置が難しい場合もあります。例えば、壁の中に柱や梁などの構造材がある場合、それらを避けて機器を設置する必要があるため、設置場所が限られることがあります。さらに、配管を通すための経路も確保する必要があるため、建物の構造によっては設置が不可能な場合もあります。
設置前に専門の業者に相談し、建物の構造や設置場所の状況を詳しく調べてもらうことが大切です。業者との相談では、設置場所の確認だけでなく、空調機器の能力や設置費用、工事期間などについても確認しましょう。設置場所の周辺にコンセントやブレーカーがあるかどうかも確認しておく必要があります。また、設置後のメンテナンスについても相談しておくと安心です。業者と綿密な計画を立て、工事前に見積もりをしっかりと確認することで、後々のトラブルを防ぐことができます。設置工事は専門的な知識と技術が必要となるため、必ず専門の業者に依頼するようにしましょう。
注意点 | 詳細 |
---|---|
壁内空間の確保 | 機器本体や配管を通す空間が必要。新築・増築時等に壁と同時設置が一般的。既存の壁への設置は壁を壊す必要があるため費用増加・工期長期化の可能性あり。 |
設置場所の制約 | 柱や梁などの構造材を避ける必要があり、設置場所が限られる場合も。配管経路の確保も必要で、建物の構造によっては設置不可の場合も。 |
専門業者への相談 | 設置前に建物の構造・設置場所の状況を業者に確認してもらうことが重要。設置場所・機器の能力・費用・工期・コンセント/ブレーカーの有無・メンテナンス等について相談。 |
見積もり確認とトラブル防止 | 工事前に見積もりをしっかり確認することでトラブルを防止。設置工事は専門業者に依頼。 |
清掃や修理のしやすさ
壁の中に埋め込まれているエアコンは、見た目もすっきりとして空間を広く感じさせる魅力がありますが、清掃や修理に関しては、壁掛け式のものとは異なる点に注意が必要です。日常的なお手入れとして、フィルターの掃除は比較的簡単に行えます。フィルターを取り外して、ほこりを掃除機で吸い取ったり、水洗いをすることで清潔に保つことができます。
しかし、エアコン内部の複雑な部分の清掃や、部品の交換が必要になった場合は、自分自身で対応することは難しく、専門の業者に依頼する必要があります。そのため、定期的に専門業者による点検や清掃をしてもらう必要があり、その費用も考慮に入れておくことが大切です。また、故障した場合の修理費用も、壁掛け式のものに比べて高額になる傾向があります。内部の部品にアクセスするために、壁の一部を取り外す必要があるなど、作業が複雑になるためです。
さらに、修理に時間がかかる場合もあることを想定しておく必要があります。部品の取り寄せに時間がかかったり、専門業者の都合がつかない場合などは、すぐに修理してもらえない可能性もあります。特に、真夏や真冬など、エアコンが不可欠な時期に故障してしまうと、大変不便な思いをするかもしれません。そのため、事前に修理の依頼方法や、代替機の有無などを確認しておくと安心です。また、保証期間や保証内容についても、しっかりと確認しておきましょう。長く快適に使うためには、設置業者との綿密な打ち合わせが重要です。
項目 | 内容 |
---|---|
日常清掃 | フィルター掃除は比較的容易(掃除機や水洗い) |
内部清掃・部品交換 | 専門業者に依頼が必要 |
点検・清掃費用 | 定期的な費用が発生、壁掛け式より高額 |
修理費用 | 壁掛け式より高額な傾向 |
修理時間 | 部品取り寄せなどで時間がかかる可能性あり |
代替機 | 有無を確認しておく |
保証 | 保証期間と内容を確認 |
設置業者 | 綿密な打ち合わせが必要 |
価格と機種の選択肢
壁の中に埋め込むタイプのエアコンは、壁に掛けるタイプのエアコンよりも本体の値段が高いです。壁に掛けるエアコンは様々なメーカーから多様な機種が販売されていますが、壁に埋め込むタイプのエアコンは限られたメーカーからしか販売されておらず、機種の数も少ないです。そのため、予算はもちろん、エアコンに求める機能や部屋の雰囲気に合ったデザインなどをよく考えて、じっくりと機種を選ぶ必要があります。場合によっては、希望する機能やデザインのエアコンが見つからないこともあります。
壁に掛けるエアコンに比べて設置工事も複雑になるため、工事費用も高くなります。本体価格に加えて工事費用も必要になるため、エアコンを設置するためにかかる総費用は、壁に掛けるエアコンよりも高くなる傾向があります。思わぬ出費を防ぐためにも、エアコンの購入と設置工事を含めた総費用をあらかじめしっかりと計算し、予算を立てておくことが大切です。
費用の面だけでなく設置スペースについても注意が必要です。壁に埋め込むタイプのエアコンは、壁の中に収まる本体と、室内に見える吹き出し口の2つの部分からできています。本体を壁の中に設置するためのスペースと、吹き出し口を設置するためのスペースが必要になります。新築で家を建てる際に、壁に埋め込むタイプのエアコンを設置することを検討している場合は、家の設計段階でエアコンを設置する場所や必要なスペースを確保しておくことが重要です。また、既に家が建っている場合でも、リフォームで壁に埋め込むタイプのエアコンを設置する際には、設置場所の壁の厚みや構造などを確認する必要があります。設置場所によっては、壁の補強工事が必要になる場合もあります。専門の業者に相談し、設置が可能かどうか、追加の工事が必要かどうかを確認してもらうようにしましょう。
項目 | 壁埋め込みエアコン | 壁掛けエアコン |
---|---|---|
本体価格 | 高い | 安い |
機種の種類 | 少ない | 多い |
工事費用 | 高い | 安い |
総費用 | 高い | 安い |
設置スペース | 多く必要 | 壁面のみ |
設置工事 | 複雑 | 比較的簡単 |
その他 | 壁の補強工事が必要な場合あり | – |
新築・増築時のメリット
家を新しく建てたり、部屋を増やす際には、エアコンを壁の中に埋め込む方法を検討する価値が大いにあります。家を建てる時や増やす時にエアコンを同時に設置すると、後から工事をするよりも様々な利点があります。
まず、工事の手間が大きく省けます。壁を作るのと同時にエアコンを設置できるので、壁を壊したり、後から穴を開けたりする必要がなく、工事期間の短縮につながります。また、専門業者による設置工事も一度で済むため、費用を抑えることにも期待できます。
次に、見た目もすっきりします。エアコンの配管や室外機への接続部分を壁の中に隠すことができるので、配線が露出することがなく、部屋全体が美しく整います。見た目だけでなく、ホコリが溜まりやすい配管を隠すことで掃除の手間も省けます。
快適な空間作りも大きなメリットです。設計の段階からエアコンの設置場所や種類、能力などを綿密に計画することで、部屋全体の広さや用途に最適な空調設備を実現できます。例えば、大きな窓がある部屋には、日差しの影響も考慮して機種を選ぶことができます。また、家具の配置などもあらかじめ想定することで、エアコンの風が家具に遮られることなく、部屋全体に効率よく行き渡るように設置できます。
このように、新築や増築のタイミングで壁埋込式のエアコンを導入すると、最初から見た目も機能性も優れた快適な空間を作ることができます。家造りの計画段階からエアコンの設置についても考えておくことで、より満足度の高い住まいを実現できるでしょう。
メリット | 詳細 |
---|---|
工事の手間軽減 | 壁作成と同時設置で、後の工事不要。工事期間短縮、費用抑制。 |
外観向上 | 配管・接続部を壁内に隠蔽。配線露出なし、部屋が美しく、掃除も容易。 |
快適な空間 | 設計段階からの計画で最適な空調設備を実現。部屋の広さ・用途に合わせた機種選定、家具配置も考慮した効率的な設置。 |
既存住宅への導入
今あるお家に壁の中に埋め込むタイプのエアコンを取り付ける場合、ほとんどの場合、大きな工事が必要になります。エアコン本体や配管を通すための空間を確保するために、壁を壊して中の構造を確認しなければなりません。そのため、工事にお金も時間もかかってしまいます。工事の費用は新築でエアコンを設置する場合よりも高額になることが一般的です。
壁を壊す工事は、家の構造によっては工事が難しい場合もあります。例えば、壁の中に柱や梁などの重要な構造材がある場合は、エアコンを設置するためにそれらを移動したり、補強したりする必要が出てくるかもしれません。また、配管を通すための経路を確保するのも容易ではありません。家の構造によっては、天井裏や床下などの狭い空間を通す必要があり、追加の工事が必要になることもあります。
さらに、電気容量も確認が必要です。壁埋込形エアコンは大容量のものが多いので、現在の電気容量で足りるのか、ブレーカーの交換や電気配線の増設工事が必要になるのかを事前に調べておく必要があります。容量が足りないと、エアコンを快適に使用できないばかりか、他の家電製品との併用でブレーカーが落ちてしまう可能性もあります。
このように、既存住宅に壁埋込形エアコンを設置するには、様々な課題があります。そのため、専門の業者に相談し、しっかりと家の状態を調べてもらった上で、綿密な計画を立てることが非常に大切です。業者との打ち合わせでは、設置場所の希望や予算、工事期間などを伝え、工事内容や費用について十分に説明を受けましょう。費用の内訳や工事のスケジュールなどを明確にしてもらうことで、安心して工事を進めることができます。新築時に設置する場合と比べて費用と手間がかかることを理解した上で、導入を検討するようにしてください。
項目 | 内容 |
---|---|
工事の規模 | 大規模な工事が必要。壁を壊して構造を確認する必要があるため、時間と費用がかかる。新築時よりも高額になるのが一般的。 |
構造上の課題 | 家の構造によっては工事が難しい場合がある。柱や梁などの構造材の移動や補強、配管経路の確保などが課題となる。天井裏や床下などの狭い空間を通す場合は追加工事が必要になることも。 |
電気容量 | 壁埋込形エアコンは大容量のため、現在の電気容量の確認が必要。ブレーカーの交換や電気配線の増設工事が必要になる場合もある。容量不足はエアコンの快適な使用を妨げ、他の家電製品との併用でブレーカーが落ちる可能性もある。 |
業者との相談 | 専門の業者に相談し、家の状態を調べてもらい、綿密な計画を立てることが重要。設置場所の希望、予算、工事期間などを伝え、工事内容や費用について十分な説明を受ける。費用の内訳や工事のスケジュールなどを明確にしてもらうことで、安心して工事を進めることができる。 |
その他 | 新築時と比べて費用と手間がかかることを理解した上で導入を検討する。 |