気になる床鳴りの原因と対策
リフォームを知りたい
先生、「床鳴り」って、どんな時に起きるんですか?家が古くなると必ず起きるものなんでしょうか?
リフォーム研究家
いい質問ですね。床鳴りは、床を踏んだ時に木材などがこすれて音が鳴る現象のことです。家が古くなると起きやすいですが、必ず起きるというわけではありません。新しい家でも、設計や施工、材料の選び方が適切でなかったり、住み始めてからの使い方やお手入れが悪かったりすると、床鳴りが起きることがあります。
リフォームを知りたい
なるほど。じゃあ、木材がこすれる以外に原因はないんですか?
リフォーム研究家
木材がこすれる以外にも、木材が乾燥したり湿気を吸ったりして伸び縮みすることで、他の部分とぶつかって音が鳴ることもあります。また、床が重さに耐えきれずにたわんで、音が鳴る場合もありますね。
床鳴りとは。
家屋の改修や新築にまつわる言葉、『床鳴り』について説明します。床鳴りとは、床の上を歩いたり踏んだりした時に、床の材料が擦れて音が鳴る現象のことです。キーキーという音、何か固いものにぶつかる音、擦れる音など、音の種類によって、どこから音が鳴っているのか大まかに推測できます。床鳴りが起こる原因としては、次のようなことが考えられます。(1)木材は乾燥すると縮み、湿気を吸うと膨張するという性質があり、この変化によって床鳴りが生じることがあります。また、異なる種類の材料を組み合わせている場合、気温の変化による縮み具合の差によっても小さな床鳴りが発生することがあります。(2)床の材料が耐えられる限度を超えて曲がっている場合。(3)床の設計段階で、材料の選び方や、床を構成する部品の厚さなどが適切でなかった場合、あるいは工事のやり方が適切でなかった場合などです。さらに、住む人の使い方やお手入れの方法が適切でないと、床の材料が傷んで床鳴りにつながることもあります。
床鳴りの種類
床鳴りは、不快な音であるだけでなく、家の構造に問題があるかもしれないというサインでもあります。音の種類によって原因が推測できるので、まずはどんな種類の音がするのか、注意深く耳を澄ませてみましょう。
例えば、「キーキー」というきしみ音は、木材同士がこすれ合っていることを示しています。木材は、乾燥したり湿気を吸ったりすることで伸び縮みします。この伸縮によって木材同士がこすれ合い、きしみ音が発生するのです。特に冬場など、空気が乾燥する時期に発生しやすいのが特徴です。木材に適度な湿度を与えることで、このきしみ音を軽減できる可能性があります。
一方、「コンコン」や「パキッ」といった、固いものにぶつかるような音は、木材が何かに接触していることを示しています。例えば、床材を固定している釘が緩んでいたり、木材自体が変形して何かに当たっている可能性が考えられます。放置すると床の強度が低下する可能性もあるので、早めの点検が必要です。
また、「ミシミシ」「スリスリ」といった、こすれているような音は、床材と下地材がこすれ合っていることを示しています。これは、床材を下地材に固定している接着剤が劣化したり、床材が部分的に浮き上がったりすることで発生します。このような音は歩行のたびに発生しやすく、次第に音が大きくなる傾向があります。放置すると床材の損傷に繋がる可能性があるので、注意が必要です。
このように、床鳴りの音の種類を聞き分けることで、原因を特定しやすくなり、より適切な対策を講じることができます。気になる床鳴りは、放置せずに専門家に見てもらうことをお勧めします。
音の種類 | 原因 | 特徴 | 対策 |
---|---|---|---|
キーキー | 木材同士の摩擦 | 冬場など乾燥する時期に発生しやすい | 木材に適度な湿度を与える |
コンコン、パキッ | 木材が何かに接触 | 放置すると床の強度が低下する可能性あり | 早めの点検 |
ミシミシ、スリスリ | 床材と下地材の摩擦 | 歩行のたびに発生しやすく、次第に音が大きくなる | 放置すると床材の損傷に繋がる可能性あり、注意が必要 |
木材の性質によるもの
木材は、伐採された後も呼吸を続けるかのように、周囲の環境に反応して変化する生き物のような素材です。特に、空気中の水分量、つまり湿度に敏感で、水分を吸ったり吐き出したりすることで、伸び縮みを繰り返します。
木材が含む水分が減ると、木材は縮みます。逆に、空気中の水分を吸収すると、木材は膨らみます。この伸び縮みは木材の性質であり、完全に防ぐことはできません。木材を使う以上、この特性を受け入れる必要があります。
この伸び縮みが床鳴りの原因となることがあります。床材として使用されている木材が乾燥して縮むと、木材同士の間に隙間ができます。この隙間で木材がこすれあい、音が発生するのです。特に、春から夏、夏から秋といった季節の変わり目は、湿度や温度の変化が激しいため、木材の伸縮も大きくなり、床鳴りが発生しやすくなります。
木材が伸縮して床鳴りがするのは、自然な現象です。小さく「ミシッ」と鳴る程度であれば、特に問題はありません。しかし、「バキッ」といった大きな音がしたり、頻繁に鳴ったりする場合は、床下の構造に問題がある可能性があります。床鳴りがひどい場合は、専門の業者に相談し、点検してもらうことをお勧めします。床下の湿度を調整したり、木材の固定方法を見直すことで、床鳴りを軽減できる場合があります。
構造的な問題
床がきしむ音、気になりますよね。木材の伸び縮みだけが原因ならばまだしも、家が持つ構造上の問題が隠れているかもしれません。
床鳴りの原因の一つに、床下で床を支えている「根太」と呼ばれる木材の劣化があります。これは木材が湿気を吸って腐ったり、シロアリに食べられたりすることで起こります。根太が弱ると、床全体をしっかり支えきれなくなり、歩いたり荷重がかかったりするたびに、木材同士がこすれ合ってきしみ音が発生しやすくなります。
また、大きな地震や時間の経過による家の老朽化も、床鳴りの原因となります。地震の揺れや建物の重みで、家の骨組みが少しずつ歪んでいくと、床の構造も影響を受け、水平でなくなります。すると、床材が本来あるべき位置からずれてしまい、歩くたびにきしみ音が生じるのです。
さらに、施工時のミスも考えられます。例えば、根太の間隔が広すぎると、床材が十分に支えられず、たわみやすくなります。また、釘が適切に打たれていない場合も、床材が固定されず、ぐらつきが生じ、床鳴りの原因となります。
このような構造的な問題は、家の安全に関わる重大なサインです。床鳴りを放置しておくと、家の耐久性が低下し、最悪の場合、家の倒壊につながる危険性もあります。ですから、少しでも床鳴りが気になった場合は、専門家に相談し、点検してもらうことをお勧めします。専門家による的確な診断と適切な補修によって、家の安全を守り、快適な暮らしを取り戻しましょう。
床鳴りの原因 | 詳細 | 危険性 |
---|---|---|
根太の劣化 | 木材が湿気を吸って腐ったり、シロアリに食べられたりする。根太が弱ると床を支えきれなくなる。 | 家の耐久性低下、最悪の場合家の倒壊につながる可能性あり |
地震や老朽化 | 地震の揺れや建物の重みで家の骨組みが歪み、床の構造も影響を受け、水平でなくなる。床材が本来の位置からずれてしまう。 | |
施工時のミス | 根太の間隔が広すぎたり、釘が適切に打たれていない場合、床材が十分に支えられず、たわみやすく、ぐらつきが生じる。 |
設計・施工の問題
住まいの快適さを損なう悩みの種として、床鳴りはよく挙げられます。この音は、家の構造部分に問題があるサインかもしれません。中でも、設計や施工の段階で生じた不備が原因となるケースが少なくありません。
まず、材料選びの段階で適切な選択がされなかった場合を考えてみましょう。床材やその下地材は、家の構造や用途に合わせて慎重に選ぶ必要があります。例えば、湿気の多い場所に適さない材料を使ってしまうと、木材が膨張したり収縮したりして、床鳴りの原因となる隙間を生み出す可能性があります。また、強度が不足している材料を選んでしまうと、人が歩くたびに床がたわみ、それが繰り返し起こることで、接合部分から音が発生しやすくなります。
次に、施工時のミスも床鳴りの大きな要因となります。釘を打つ間隔が適切でないと、木材をしっかりと固定することができません。木材が固定されていないと、わずかな振動でも木材同士が擦れ合い、音が発生します。また、接着剤を使う場合、その量が不足していると、木材同士がしっかりと接着されず、やはり音の原因となります。さらに、下地材の施工が不均一だと、床材を敷いた際に隙間ができやすく、これもまた床鳴りにつながります。
設計の段階で、床の強度が十分に考慮されていない場合も問題です。人が歩く際の荷重や家具の重さに耐えられるだけの強度がなければ、床がたわみやすくなり、結果として床鳴りが発生しやすくなります。
このように、設計や施工の段階での様々な要因が床鳴りの原因となる可能性があります。もし、新築やリフォーム後に床鳴りが発生した場合は、すぐに施工業者に相談し、原因を特定してもらいましょう。原因に応じて適切な補修や改修工事を行うことで、快適な住まいを取り戻すことができます。
段階 | 問題点 | 結果 |
---|---|---|
材料選び | 湿気に弱い材料を使用 | 木材の膨張・収縮による隙間の発生 |
強度不足の材料を使用 | 床のたわみによる接合部からの音 | |
施工 | 釘打ち間隔の不適切さ | 木材の固定不足による擦れ音 |
接着剤の量不足 | 木材の接着不良による音 | |
下地材の施工不良 | 床材の隙間発生による音 | |
設計 | 床強度不足 | 床のたわみによる床鳴り |
日々の使い方と手入れ
住まいの中で、床は毎日歩く場所であり、生活の基盤となる大切な場所です。だからこそ、日々の使い方や手入れによって、その寿命は大きく変わってきます。快適な暮らしを長く続けるためにも、床への負担を軽くし、適切な手入れを心がけましょう。
まず、重い家具は床に大きな負担をかけます。特に一点に集中して荷重がかかると、床材の変形や傷みにつながり、やがて不快な床鳴りの原因となることもあります。重い家具を置く際は、床板を補強したり、家具の脚の下に保護材を敷くなどの工夫をしましょう。また、物を落とした際の衝撃も床鳴りの原因となります。硬い物を落とすと、床材に傷がつき、そこから劣化が始まることもあります。小さなお子様がいるご家庭では、床にマットや絨毯を敷くことで、衝撃を和らげ、床材を保護することができます。
日々の掃除も大切です。砂や埃は、床材の表面を傷つける原因となります。こまめに掃除機をかけたり、乾拭きをすることで、床材の摩耗を防ぎ、美しさを保つことができます。水拭きをする際は、しっかりと絞った雑巾を使い、水気が残らないように注意しましょう。過剰な水分は、床材の劣化を早める原因となります。
さらに、定期的なワックスがけは、床材を保護し、艶を出し、美観を保つために有効です。ワックスには、床材の表面をコーティングする効果があり、傷や汚れから守ってくれます。ワックスの種類によって効果や持続期間が異なるため、ご自宅の床材に合ったワックスを選び、使用方法を守って正しく使いましょう。
このように、日々の使い方と定期的な手入れによって、床の寿命は大きく変わります。少しの心がけと手間で、快適な住環境を長く維持することができます。床の異変に気付いたら、早めに対処することで、大きな修繕を防ぐことにもつながります。
床への負担軽減 | 日々の掃除 | 定期的なメンテナンス |
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床鳴りの対策
家屋の床から聞こえる不快な軋み音、すなわち床鳴りは、住まいの快適さを損なう大きな要因となります。この厄介な音は、様々な原因で発生するため、その対策も原因に合わせた適切な処置が必要です。
比較的軽度な床鳴りで、音の発生源が特定できる場合は、ご自身で対策できる可能性があります。例えば、床板の乾燥や収縮による隙間が原因であれば、ホームセンターなどで手軽に購入できる床鳴り防止剤が有効です。これは、注入することで隙間を埋め、摩擦を軽減する効果があります。
しかし、床鳴りが広範囲にわたる場合や、歩行するたびに大きな音が鳴る場合は、構造的な問題が潜んでいる可能性が高いため、専門の業者に相談することを強くお勧めします。床鳴りの原因は、床下の土台や根太の腐食、床板の劣化、釘の緩みなど多岐にわたります。専門家は、これらの原因を的確に見極め、最適な対策を提案してくれます。
床下に入り、補強材を入れて床組を強化したり、場合によっては床材を全て剥がして張り替えるといった大掛かりな工事が必要となるケースもあります。これは、素人では難しい作業であり、専門の知識と技術が求められます。
床鳴りは、放置すると症状が悪化し、将来的に更に大規模な修繕が必要となる可能性があります。また、建物の構造的な欠陥が隠れている場合もあるため、早期に専門家に見てもらうことで、建物の寿命を延ばすことにも繋がります。些細な音だからと安易に考えて放置せず、早めの対策を心がけることで、快適な住環境を長く保つことができます。
床鳴りの程度 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
軽度(音源特定可能) | 床板の乾燥や収縮による隙間 | 床鳴り防止剤の注入 |
重度(広範囲、大きな音) | 床下の土台や根太の腐食、床板の劣化、釘の緩みなど | 専門業者に相談、床下補強、床材張り替えなど |