左官職人の必需品:鏝板

左官職人の必需品:鏝板

リフォームを知りたい

先生、「鏝板」ってどういうものですか?リフォームのパンフレットに書いてあったんですけど、よく分からなくて。

リフォーム研究家

ああ、鏝板ね。左官屋さんが使う道具の一つだよ。壁に塗る材料をのせておく、持ち手のついた板のことだ。だいたい30センチ角くらいの大きさだね。

リフォームを知りたい

なるほど。壁に塗る材料をのせる板なんですね。どうしてそんなものが必要なんですか?

リフォーム研究家

鏝板を使うことで、材料をこぼさずに持ち運べるし、左官ごてで材料を取りやすくなるんだ。だから、壁塗りの作業がスムーズに進むんだよ。

鏝板とは。

左官工事で使う『こて板』について説明します。こて板とは、壁などに塗る材料をのせておく、だいたい30センチメートルぐらいの正方形で、持ち手がついている板のことです。

鏝板とは

鏝板とは

壁や床を塗る左官職人にとって、鏝板はなくてはならない道具です。塗る材料をのせておく板のことで、大きさはおよそ30センチメートル四方です。持ち運びしやすいように柄が付いているのが特徴です。この板は「鷹」とも呼ばれています。ちょうど鷹が獲物を掴んでいる様子に似ていることから、この名前が付けられました。西洋では、鷹匠が鷹狩りで使っていた盾を転用したのが始まりという話もあります。

鏝板の使い道は、塗る材料を乗せておくだけではありません。左官職人は、この鏝板の上で材料を混ぜ合わせ、ちょうど良い具合の硬さに調整します。コテを使って壁や床に塗る際にも、鏝板の上に材料を少しずつ取りながら作業を進めます。つまり、鏝板は材料を保管しておく場所であると同時に、作業場としての役割も担っていると言えるでしょう。

鏝板の材質は、一般的には木製です。塗料を混ぜたり、コテで材料を削り取ったりする際に、金属製の板だと傷が付いたり音がうるさかったりするからです。また、木の板は適度な重さがあり、安定して材料を混ぜることができます。最近では、軽量で扱いやすい樹脂製の鏝板も登場しています。しかし、木の板は長年の使用に耐える丈夫さがあり、使い込むほどに手に馴染むという利点もあります。

このように、鏝板は左官職人にとって単なる道具ではなく、まるで相棒のような存在です。熟練した職人は、鏝板の使い方一つで仕上がりの美しさを大きく変えることができます。鏝板を自在に操り、壁や床に模様を付ける職人技は、まさに芸術と言えるでしょう。鏝板は、日本の伝統的な左官技術を支える、大切な道具の一つなのです。

項目 説明
名称 鏝板(こていた)、鷹
大きさ 約30cm四方
特徴 持ち運び用の柄が付いている。
由来 鷹が獲物を掴んでいる様子、西洋では鷹匠の盾を転用したという話も。
用途 材料を乗せておく、材料を混ぜる、硬さを調整する、コテで材料を取りながら作業する。
材質 木製(一般的)、樹脂製
材質の理由 金属製は傷が付いたり音がうるさい。木製は適度な重さで安定感がある。樹脂製は軽量で扱いやすい。
熟練職人の技 鏝板の使い方で仕上がりの美しさを変える、模様を付ける。

鏝板の種類

鏝板の種類

壁や天井を塗る際に、塗料を乗せたり伸ばしたりするのに使う板を鏝板といいます。この鏝板には、材質や形など様々な種類があり、それぞれに特徴があります。用途や使う人によって、どの鏝板を選ぶかが変わってきます。

材質で見てみると、まずさびにくい鋼でできたものがあります。これはとても丈夫で長持ちするため、モルタルのような硬い材料を塗るときにも使えます。多くの現場で見かける、まさに定番と言える鏝板です。次に、軽い金属でできたものがあります。こちらは軽くて扱いやすいので、特に天井を塗るような、腕を上げて作業する際に便利です。持ち上げていても疲れにくいことが利点です。手軽に使える合成樹脂製の鏝板もあります。値段も手頃なので、日曜大工など、自分でちょっとした作業をしたい時に便利です。

形も様々です。四角い形のものはよく見かけますが、細長い形丸い形のものもあります。四角い形の中でも、正方形長方形があり、塗る場所の広さや塗料の種類に合わせて使い分けられます。例えば、広い壁を塗る場合は大きな鏝板が便利ですし、細かい部分を塗る場合は小さな鏝板の方が扱いやすいでしょう。丸い形の鏝板は、曲線を描くような模様をつけたい時に使われます。

このように、鏝板には様々な種類があり、職人さんは使う場所、使う材料、そして自分のやり方に合わせて最適な鏝板を選びます。長年の経験と技術を持つ職人さんにとって、鏝板はまさに相棒と言えるでしょう。自分にぴったりの鏝板を使うことで、美しい仕上がりを実現することができるのです。

材質 特徴 用途
さびにくい鋼 丈夫で長持ち モルタルのような硬い材料
軽い金属 軽くて扱いやすい、腕を上げての作業に向く 天井など
合成樹脂 手軽で手頃な価格 日曜大工など
種類 用途
四角い形 正方形 広い壁、塗料の種類に合わせて使い分け
長方形 広い壁、塗料の種類に合わせて使い分け
細長い形
丸い形 曲線を描くような模様

鏝板の使い方

鏝板の使い方

左官工事には欠かせない道具である鏝板。その使い方を詳しく見ていきましょう。まず、鏝板に材料を乗せる作業から始めます。材料はセメントやモルタルなど様々ですが、どの材料を使う場合でも、適切な量が重要です。多すぎると重くて扱いにくくなり、作業中にこぼれてしまうこともあります。少なすぎると、何度も材料を補充する手間がかかり、作業効率が落ちてしまいます。ちょうど良い量を見極めるには、経験と勘が必要ですが、最初は少量ずつ乗せていくのが良いでしょう

次に、鏝板をどのように持つのか説明します。利き手ではない方で鏝板を持ちます。この時、指を揃えてしっかり持ち、鏝板がぐらつかないように安定させます。鏝板を持つ高さは、作業しやすい位置に調整しましょう。高すぎると腕が疲れてしまい、低すぎると作業がしにくくなります。自分の体格や作業内容に合わせて、最適な高さを探ることが大切です。

材料を乗せた鏝板と、もう片方の手に持った鏝を使って、壁や床に材料を塗っていきます。鏝板を少し傾け、鏝で材料を少しずつ削り取るようにして使います。この時、鏝を動かす速度や角度、加える力を調整することで、塗りの厚さや質感をコントロールします。薄く均一に塗りたい場合は、鏝を滑らかに動かし、力を一定に保ちます。逆に、厚く塗りたい場合は、鏝をゆっくりと動かし、力を加えながら塗っていきます。

美しい仕上がりを実現するには、滑らかで無駄のない動きが重要です。まるで舞を踊るように、流れるような動きで鏝板と鏝を操る職人の姿は、まさに熟練の技と言えるでしょう。熟練した左官職人になるためには、長年の経験と鍛錬が必要不可欠です。何度も練習を重ね、材料の特性や道具の使い方を理解することで、美しい壁や床を作り上げることができるようになります。

工程 説明 ポイント
材料を鏝板に乗せる セメントやモルタルなどの材料を鏝板に乗せる。 適切な量を見極めることが重要。多すぎると扱いにくく、少なすぎると作業効率が落ちる。最初は少量ずつ乗せていくのが良い。
鏝板を持つ 利き手ではない方で鏝板を持つ。 指を揃えてしっかり持ち、鏝板がぐらつかないように安定させる。高さは作業しやすい位置に調整する。
材料を塗る 鏝板を少し傾け、鏝で材料を少しずつ削り取るようにして、壁や床に塗る。 鏝を動かす速度や角度、加える力を調整することで、塗りの厚さや質感をコントロールする。

鏝板の手入れ

鏝板の手入れ

左官仕事に欠かせない鏝板は、適切なお手入れをすることで、長く使い続けることができます。使い終わったら、すぐに水洗いをすることが大切です。セメントやモルタル、しっくいといった材料は、時間が経つと固まってしまいます。そのままにしておくと、鏝板にこびりついて取れなくなってしまい、作業に支障をきたすだけでなく、鏝板そのものの寿命を縮めてしまうことにもなります。

使用後は、丁寧に水で洗い流し、付着した材料を完全に取り除きましょう。特に、鏝板の隅や角の部分は材料が溜まりやすいので、念入りに洗うことが大切です。ブラシなどを使ってこすり洗いすると、より効果的です。水洗いした後は、乾いた布で水気を拭き取り、風通しの良い場所でしっかりと乾燥させましょう。濡れたまま放置すると、錆の原因となるので注意が必要です。

長期間使用していると、鏝板の表面が錆びたり、すり減ったりすることがあります。錆は、金属の劣化を招き、鏝板の強度を低下させる原因となります。錆を見つけたら、金属たわしなどで丁寧に落としてください。また、表面がすり減ってきた場合は、砥石などで研磨することで、滑らかな表面を取り戻すことができます。研磨する際は、平らな面を保つように注意しながら行いましょう。あまりに深くすり減ってしまった場合は、交換を検討する必要があります。

適切な手入れを続けることで、鏝板を良い状態で長く使い続けることができます。日々の清掃と定期的なメンテナンスを心掛け、大切な道具を大切に使いましょう。道具を長持ちさせることは、良い仕事を続けるためにも重要です。

お手入れ 手順 注意点
使用後 水洗い→水気を拭き取り→乾燥
  • セメント、モルタル、しっくいは固まる前に洗う
  • 隅や角は念入りに洗う
  • 濡れたまま放置しない
錆びた時 金属たわしで錆を落とす 錆は金属劣化、強度低下の原因となる
すり減った時 砥石で研磨
  • 平らな面を保つように研磨
  • ひどい場合は交換

鏝板の選び方

鏝板の選び方

壁塗りの仕上がりを左右する大切な道具、鏝板。自分にぴったりの鏝板を選ぶことは、作業のしやすさや出来上がりの美しさに大きく関わってきます。初めて鏝板を買う時は、経験豊かな左官職人や専門店の店員に相談するのが一番です。どんな材料を使うのか、どんな作業をするのか、自分の手の大きさはどうかなど、様々なことを踏まえて、最適な鏝板を選びましょう。

鏝板には様々な種類があります。まず材質は、ステンレス、真鍮、プラスチックなどがあります。それぞれ特徴があるので、使う材料や作業内容に合わせて選びます。例えば、ステンレスは錆びにくく丈夫なので、モルタルなどの硬い材料に適しています。真鍮はしなやかで軽いので、漆喰などの柔らかい材料に向いています。プラスチックは安価で手軽に使えるので、練習用などに便利です。

次にです。長方形、台形、ひょうたん型など様々な形があります。自分の手の大きさに合わせて選びましょう。手の小さい人は小さめの鏝板、手の大きい人は大きめの鏝板を選ぶと使いやすいです。また、作業内容によっても適した形があります。広い壁を塗る場合は大きめの鏝板、細かい部分を塗る場合は小さめの鏝板が便利です。

大きさも重要です。大きすぎると重くて扱いにくく、小さすぎると作業効率が悪くなります。自分の手の大きさや作業内容に合った大きさの鏝板を選びましょう。実際に手に取って重さやバランスを確認することも大切です。重すぎると疲れてしまうので、長時間楽に使える重さのものを選びましょう。

自分に合った鏝板を使うことで、作業が捗り、美しい仕上がりを実現できます。鏝板は左官職人にとって、まさに相棒と言えるでしょう。

項目 詳細
材質
  • ステンレス: 錆びにくく丈夫。モルタルなどの硬い材料に適している。
  • 真鍮: しなやかで軽い。漆喰などの柔らかい材料に適している。
  • プラスチック: 安価で手軽。練習用などに便利。
  • 長方形、台形、ひょうたん型など様々。手の大きさや作業内容に合わせて選ぶ。
  • 広い壁: 大きめの鏝板
  • 細かい部分: 小さめの鏝板
大きさ
  • 手の大きさや作業内容に合ったものを選ぶ。
  • 重すぎると疲れるので、長時間楽に使える重さのものにする。
選び方のポイント 経験豊かな左官職人や専門店の店員に相談するのが一番。