家の顔、外壁材の種類と選び方
リフォームを知りたい
『外壁材』って、家の外側の壁につける材料のことですよね?種類がたくさんあるみたいですが、どんなものがあるんですか?
リフォーム研究家
そうですね。家の外側を守る壁の材料のことです。代表的なものとしては、窯業系サイディング、モルタル塗り壁、タイル、金属系サイディング、ALCなどがあります。
リフォームを知りたい
それぞれどんな特徴があるんですか?
リフォーム研究家
窯業系サイディングはデザインが豊富で価格も手頃です。モルタル塗り壁は自由なデザインができて高級感がありますが、ひび割れしやすい面もあります。タイルは耐久性が高いですが、価格が高めです。金属系サイディングは軽量で耐火性が高いですが、デザインが限られます。ALCは軽量で断熱性、耐火性に優れていますが、価格が高いです。このようにそれぞれに特徴があるので、予算や好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
外壁材とは。
家の見た目を作る壁の材料について説明します。この材料は『外壁材』と呼ばれ、雨風や音、火に耐える力、そしてお手入れのしやすさ、色や見た目などがそれぞれ違います。種類も多く、焼き物でできた板壁、モルタルを塗った壁、タイル、金属でできた板壁、そして『ALC』と呼ばれる、軽いコンクリートのような材料でできた壁などがあります。
外壁材の役割
家は、家族を守る大切な場所です。そして、その家を風雨や紫外線、火災など様々な外敵から守る役割を担うのが外壁材です。外壁材は家の顔とも言える部分であり、家の印象を大きく左右する重要な要素です。
まず、外壁材の一番の役割は、雨や風、雪などの自然の脅威から家を守ることです。雨水が壁の中に染み込むと、家の構造材が腐食し、家の寿命を縮めてしまう原因になります。外壁材は、こうした水の侵入を防ぎ、家の耐久性を維持するために必要不可欠です。
また、強い日差しや紫外線からも家を守ってくれます。紫外線は、建物の劣化を早める原因となります。外壁材は、紫外線を遮断し、家の美しさを長く保つ役割も果たします。
さらに、外壁材は断熱材としても重要な役割を担います。外の暑さ寒さを遮断し、室内の温度を一定に保つことで、快適な居住空間を作り出します。冬は暖かく、夏は涼しく過ごすことができ、冷暖房費の節約にも繋がります。
そして、外壁材には遮音性も求められます。外の騒音を遮断し、静かで落ち着いた室内環境を実現します。交通量の多い道路に面した家や、集合住宅では特に重要な要素と言えるでしょう。
最後に、火災時の延焼を防ぐための耐火性も、外壁材の大切な役割です。万が一、火災が発生した場合でも、外壁材が火の延焼を遅らせることで、避難する時間を確保し、被害を最小限に抑えることができます。
このように、外壁材は家の美観だけでなく、快適性や安全性、耐久性を左右する重要な役割を担っています。家の寿命を守るためにも、適切な外壁材選びが大切です。
役割 | 説明 |
---|---|
家の保護 | 雨、風、雪などの自然の脅威から家を守る。家の構造材の腐食を防ぎ、家の寿命を延ばす。 |
紫外線保護 | 強い日差しや紫外線から家を守る。建物の劣化を遅らせ、家の美しさを保つ。 |
断熱 | 外の暑さ寒さを遮断し、室内の温度を一定に保つ。快適な居住空間を作り出し、冷暖房費の節約にも繋がる。 |
遮音 | 外の騒音を遮断し、静かで落ち着いた室内環境を実現する。 |
耐火 | 火災時の延焼を防ぐ。避難時間を確保し、被害を最小限に抑える。 |
窯業系サイディング
焼き物の板を組み合わせた外壁材である窯業系サイディングは、今、新しく家を建てる際に最も選ばれている外壁材です。セメントを主な材料とし、繊維を混ぜて固めた板状のものです。この材料の特徴は、まず見た目や色の種類が豊富なことです。レンガ積みや塗り壁、木の板張りなど、様々な模様や色を選ぶことができます。そのため、自分の好みに合わせた家の外観を作り上げることが可能です。
さらに、窯業系サイディングは価格が比較的安いという利点もあります。他の外壁材と比べて費用を抑えることができるため、予算を気にしている方にもおすすめです。また、施工がしやすく、工事期間を短縮できる点もメリットです。職人さんにとっても扱いやすい材料なので、スムーズに工事を進めることができます。
加えて、日頃のお手入れも比較的簡単です。汚れが目立つ場合は、水で洗い流すだけで綺麗になります。定期的なメンテナンスもそれほど手間がかからないため、長く綺麗な状態を保つことができます。
ただし、火に強くはないという点には注意が必要です。他の外壁材と比べると、火に弱いため、火災が発生した場合には延焼する可能性があります。また、音を遮る性能も低いです。外の騒音が室内に入り込みやすいため、静かな環境を求める場合は、他の外壁材を検討する必要があるかもしれません。
これらの欠点を補うためには、断熱材や遮音材を組み合わせることが重要です。壁の中に断熱材を入れることで、断熱性を高めることができます。また、遮音材を併用することで、外からの騒音を軽減することができます。このように、工夫次第で窯業系サイディングの弱点を克服し、快適な住まいを実現することが可能です。
項目 | 内容 |
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材質 | 焼き物の板を組み合わせた窯業系サイディング |
メリット | 外観の種類が豊富 価格が比較的安い 施工が簡単で工期が短い お手入れが簡単 |
デメリット | 火に弱い 遮音性が低い |
対策 | 断熱材や遮音材を組み合わせる |
モルタル塗り壁
モルタル塗り壁は、昔から日本の家屋で広く使われてきた外壁材の一つです。セメントと砂を水で練り混ぜたモルタルを、職人の手で丁寧に壁に塗って仕上げていきます。
モルタル塗り壁の最大の魅力は、そのデザイン性の高さと言えるでしょう。コテの使い方次第で、様々な模様を表現することができます。滑らかな表面に仕上げることも、粗い表情を出すことも可能です。職人の熟練した技術によって、唯一無二の風合いを壁に刻むことができます。そのため、個性豊かな家造りを目指す方に大変人気があります。
機能面でも、モルタル塗り壁は優れた特性を持っています。火に強い耐火性や、音を遮る遮音性に優れているため、安心して暮らせる住まいづくりに貢献します。また、ある程度のひび割れにも強いという特徴も持っています。
しかし、モルタル塗り壁には、初期費用が高額になるというデメリットも存在します。工場で大量生産される窯業系サイディングなどと比べると、材料費だけでなく職人の人件費もかかるため、どうしても費用は高くなってしまいます。また、定期的なメンテナンスも必要です。モルタルは、時間の経過とともにひび割れや色あせが生じることがあります。そのため、数年ごとに塗り替えなどのメンテナンスを行う必要があり、その費用も考慮しなければなりません。新築時だけでなく、長期的な維持管理にかかる費用も計算に入れて、家造りを計画していくことが大切です。
項目 | 内容 |
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概要 | セメントと砂を水で練り混ぜたモルタルを職人の手で壁に塗って仕上げる外壁材。 |
メリット |
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デメリット |
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タイル
タイルは、粘土や石などを高温で焼き固めた建築材料で、外壁材としてよく使われます。その魅力は、なんといっても高級感のある見た目でしょう。釉薬で色付けされたタイルは、独特の光沢と風合いをもち、建物の外観を美しく彩ります。また、耐久性や耐火性、耐候性にも優れているため、長期間にわたって建物を守ってくれます。雨風や紫外線にさらされても劣化しにくく、色あせも少ないため、美しさを長く保つことができます。さらに、汚れがつきにくく、水拭きなどで簡単に掃除できるため、メンテナンスも比較的容易です。
しかし、タイルにもデメリットはあります。まず、初期費用が高いことが挙げられます。他の外壁材と比べると、材料費だけでなく施工費も高額になる傾向があります。これは、タイルの施工には熟練した技術が必要なためです。一枚一枚丁寧に貼り付ける必要があるため、施工にも手間と時間がかかります。また、タイル自体は硬くて丈夫ですが、地震などの揺れによってひび割れが生じる可能性があります。建物の揺れに追従できないため、強い力が加わると割れてしまうことがあるのです。そのため、施工時には下地の処理や目地材の選択など、適切な施工方法をとることが重要です。建物の構造や立地条件なども考慮し、耐震性を高める工夫が必要です。
このように、タイルは美観や耐久性に優れた外壁材ですが、費用や施工の注意点も理解した上で選択することが大切です。
メリット | デメリット |
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高級感のある見た目 | 初期費用が高い |
耐久性、耐火性、耐候性に優れている | 地震でひび割れしやすい |
汚れがつきにくく、掃除が簡単 | 施工に手間がかかる |
金属系サイディング
金属系外装材は、近年、新築や改修工事でよく選ばれる外壁材です。素材には、ガルバリウム鋼板やアルミニウムなどが用いられ、それぞれに特徴があります。ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛で鉄板を覆っているため、錆びにくく、耐久性に優れています。アルミニウムは、軽くて加工しやすく、耐食性も高いのが特徴です。どちらの素材も、耐火性に優れているため、火災の延焼を防ぐ効果が期待できます。
金属系外装材は、施工のしやすさも魅力の一つです。軽量なため、建物への負担が少なく、工期も短縮できます。また、デザインや色の種類も豊富です。シンプルなものから、レンガ調や木目調など、様々な模様が用意されているため、家の外観デザインの幅が広がります。
一方で、金属系外装材は、断熱性が低いという欠点があります。金属は熱を伝えやすい性質があるため、夏は熱が室内に入り込みやすく、冬は室内の熱が外に逃げやすくなります。そのため、断熱材との併用が不可欠です。外壁材の裏側に断熱材を隙間なく施工することで、断熱性能を向上させ、快適な室内環境を実現できます。断熱材の種類も様々なので、予算や家の構造に合わせて選ぶことが大切です。
また、金属は音を伝えやすい性質もあるため、雨音が響きやすいという点も考慮が必要です。吸音効果のある断熱材を選ぶ、もしくは二重構造にするなどの対策が必要です。適切な断熱対策を行うことで、金属系外装材のデメリットを補い、その優れた耐久性やデザイン性を活かした、快適で美しい住まいを実現できるでしょう。
項目 | 内容 |
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素材 | ガルバリウム鋼板、アルミニウムなど |
メリット |
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デメリット |
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対策 |
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ALC(軽量気泡コンクリート)
軽量気泡コンクリート(ALC)は、セメント、生石灰、珪砂などを主原料に、アルミニウム粉末を加えて発泡させ、高温高圧蒸気養生で硬化させた建材です。内部に多数の気泡を含むことから、コンクリートでありながら軽量なのが大きな特徴です。
この気泡こそがALCの優れた性能の源です。気泡が断熱材の役割を果たすため、高い断熱性を誇ります。夏は外の暑さを室内に伝えにくく、冬は室内の暖かさを逃がしにくいため、一年を通して快適な室内環境を保つのに役立ちます。また、気泡が音を吸収するため、遮音性にも優れています。外部からの騒音を軽減し、静かな住空間を実現できます。
耐火性もALCの大きな利点です。主成分が無機質であるため、火災時に燃え広がることがなく、建物の安全性を高めます。さらに、軽量であることから建物の自重を軽減でき、地震時の揺れを小さくする効果も期待できます。
加工のしやすさもALCの魅力です。のこぎりや専用の工具で簡単に切断・加工できるため、複雑な形状の建物にも対応可能です。デザインの自由度が高く、建築家の創造性を活かした個性的な建物を生み出すことができます。
ただし、ALCには吸水性が高いという側面もあります。雨水などを吸収しやすいため、適切な防水処理が不可欠です。防水塗装や防水シートなどを用いて、建物を雨水の浸入から守る必要があります。また、経年変化によりひび割れが生じる可能性もあります。定期的な点検とメンテナンスを行い、ひび割れを早期に発見・補修することで、建物の耐久性を維持することが重要です。
項目 | メリット | デメリット |
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断熱性 | 高い断熱性 | |
遮音性 | 優れた遮音性 | |
耐火性 | 高い耐火性 | |
軽量性 | 地震時の揺れを軽減 | |
加工性 | 容易な加工 | |
吸水性 | 吸水性が高い | |
ひび割れ | ひび割れが生じる可能性 |