サイホン式便器:仕組みと特徴
リフォームを知りたい
先生、サイホン式便器って、水を吸い込む力を使って汚れを流すんですよね?でも、水たまりが狭いから汚れが残っちゃうこともあるんですか?
リフォーム研究家
そうだよ。サイホン式便器は、管の中に水をためて、一気に流すことで、汚れを吸い込むように流す仕組みになっているんだ。水たまりは、サイホンゼット式に比べると少し狭いから、汚れが付きやすい場合もあるね。
リフォームを知りたい
サイホンゼット式っていうのは、水たまりが広いんですか?
リフォーム研究家
その通り!サイホンゼット式は、サイホン式に改良を加えて、水たまりを広くしたタイプなんだ。水たまりが広い分、汚れが付きにくく、掃除もしやすいというメリットがあるんだよ。
サイホン式便器とは。
水洗トイレの種類である『サイホン式便器』について説明します。この便器は、管の中に溜まった水を利用して、水と一緒に汚物を吸い出す仕組みになっています。しかし、水面が小さいため、便器に汚れが残ってしまう事もあるようです。
水流の力
水洗便器には様々な種類がありますが、現在主流となっているのはサイホン式と呼ばれるものです。サイホン式便器は、その名前の通り、物理現象であるサイホンの原理を利用して排水を促す仕組みになっています。
仕組みを見ていきましょう。水洗レバーを操作すると、便器内の水位が上昇します。そして、ある一定の水位に達すると、サイホン作用が働き始めます。この時、水が流れ落ちる勢いによって、便器内の空気も一緒に引っ張られます。すると、便器内部に負圧が生じます。この負圧こそが、便器内の汚物を吸い込むように排水管へと押し流す力となるのです。
サイホン式便器の最大のメリットは、強力な水流を生み出すことができる点です。この強力な水流のおかげで、一度に大量の汚物を排出することが可能になります。結果として、詰まりにくいという大きな利点が生まれます。また、水流の音が比較的静かな点もメリットと言えるでしょう。近年では、集合住宅などでは生活音への配慮から、静音性も重視される傾向にあります。
さらに、水洗レバーの種類も多様化しています。従来の手動レバーに加え、センサーで感知して自動的に洗浄するタイプも普及しています。自動洗浄は、レバーに触れる必要がないため衛生的です。また、必要な量の水しか流さないため、節水にも繋がります。さらに、洗浄を忘れてしまうといった心配もありません。このように、サイホン式便器は強力な洗浄力と静音性、そして多様な機能を備え、快適な生活を支える重要な役割を担っていると言えるでしょう。
種類 | サイホン式 |
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原理 | サイホンの原理 |
仕組み | 水位上昇→サイホン作用→負圧→汚物排出 |
メリット |
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種類 |
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自動洗浄のメリット |
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洗浄方式の種類
水洗便器には大きく分けて二つの洗浄方式があります。一つはサイホンゼット式、もう一つはサイホン式です。
サイホンゼット式の特徴は、便器の底に「ゼット」の形をした排水路が設けられていることです。この独特の形状のおかげで、便器内には常に一定量の水が溜まった状態になります。この水たまりは、下水管からの嫌な臭いが室内に上がってくるのを防ぐという重要な役割を担っています。また、汚物が水に浸かることで、便器に付着しにくくなるという利点もあります。
一方、サイホン式はゼット型の排水路がありません。そのため、便器内の水たまりはサイホンゼット式に比べて小さくなります。水たまりが小さいということは、洗浄に使う水の量を少なくできるという長所につながります。近年、環境保護の観点から節水が重視されるようになり、サイホン式は主流になりつつあります。しかし、水たまりが小さい分、汚物が便器に付着しやすくなるという短所も存在します。
さらに、それぞれの洗浄方式にも様々な種類があります。例えば、勢いよく水を噴き出すことで一気に洗い流すタイプや、渦を巻くように水を流して便器全体をくまなく洗浄するタイプなどがあります。それぞれの家庭のニーズや好みに合わせて、最適な洗浄方式を選ぶことが大切です。
項目 | サイホンゼット式 | サイホン式 |
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排水路 | ゼット型 | ゼット型ではない |
水たまり | 大 | 小 |
臭気 | 抑制効果が高い | 抑制効果が低い |
洗浄水の量 | 多め | 少なめ |
汚物の付着 | 付きにくい | 付きやすい |
節水性 | 低い | 高い |
主流性 | 主流ではない | 主流になりつつある |
清掃の手間
水洗便器を選ぶ際、掃除のしやすさは大切なポイントです。水をためる部分が小さいため、汚れが付きやすい形式のものがあります。特に、男性が用を足す際に、便器の縁に尿が跳ねて汚れが付くことがあります。こまめに掃除をしないと、汚れが溜まって黄ばみや黒ずみになってしまうため、注意が必要です。日頃から、トイレブラシでこまめに掃除をする習慣を付けましょう。
掃除には、重曹やクエン酸といった自然由来の洗剤を使うのがおすすめです。環境に優しく、汚れを効果的に落とすことができます。また、便器の形も掃除のしやすさに大きく関係します。複雑な形の便器は、汚れが溜まりやすく掃除がしにくいので、シンプルな形の便器を選ぶと良いでしょう。最近では、汚れにくい素材や表面加工が施された便器も販売されています。こういった便器を選ぶことで、掃除の手間を減らすことができます。
例えば、縁がない形状の便器を選ぶと、縁の裏側に汚れが溜まる心配がなく、掃除が格段に楽になります。また、表面に特殊な加工が施された便器は、汚れが付きにくく、落ちやすいので、洗剤の使用量を減らすことができ、環境にも優しく経済的です。さらに、水洗の方式にも注目しましょう。勢いよく流れる水流で便器内を洗い流すタイプのものは、汚れが残りにくく、清潔に保つことができます。
日々の掃除の負担を減らすためには、便器選びの段階から掃除のしやすさを考慮することが重要です。様々な種類の便器があるので、ショールームなどで実物を見て、それぞれのメリット・デメリットを比較検討することをおすすめします。長く使うものだからこそ、使い勝手が良いものを選び、快適なトイレ空間を実現しましょう。
ポイント | 詳細 |
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形状 |
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素材・表面加工 |
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水洗方式 |
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洗剤 |
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その他 |
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選び方のポイント
水洗便所を選ぶ際には、いくつかの大切な点に目を向けましょう。まず水の使う量です。使った水の量が少ないものを選ぶことで、水道代を安くすることができます。次に、洗い流す方法を調べましょう。勢いよく水を吹き出すものや、渦を巻くようにして洗い流すものなど、色々な洗い流す方法があるので、自分に合ったものを選びましょう。便器の形も大切な点です。飾り気のない形をしたものは掃除がしやすく、いつも清潔に保てます。
汚れが付きにくい素材で作られた便器を選ぶのも良いでしょう。表面がツルツルとして汚れが付きにくいものや、防汚加工が施されたものなどがあります。これらは、日頃のお手入れの手間を減らし、清潔な状態を長く保つのに役立ちます。
さらに色々な機能にも目を向けましょう。いやな臭いを消す機能や、温水で洗える機能など、心地よい場所にするための色々な機能が付いたものもあります。予算に合わせて、必要な機能が付いたものを選びましょう。
設置する場所の広さも大切です。限られた場所に設置する場合は、コンパクトなサイズの便器を選ぶと良いでしょう。また、家の雰囲気に合ったデザインの便器を選ぶことも重要です。和風、洋風など、様々なデザインのものがありますので、トイレ全体の雰囲気を考えながら選びましょう。最近では、手すり付きのものや立ち座りがしやすい高さのものなど、体のことを考えた便器も販売されています。家族の状況に合わせて、使いやすいものを選びましょう。
項目 | 詳細 |
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水の使う量 | 水道代に直結するため、少ないものを選ぶ。 |
洗い流す方法 | 勢いよく水を吹き出すもの、渦を巻くように洗い流すものなど、自分に合ったものを選ぶ。 |
便器の形 | 掃除のしやすさを考慮し、飾り気のない形を選ぶ。 |
便器の素材 | 汚れが付きにくい素材や防汚加工が施されたものを選ぶ。 |
機能 | 消臭機能、温水洗浄機能など、予算に合わせて必要な機能を選ぶ。 |
設置する場所の広さ | 設置場所に合わせてコンパクトなサイズを選ぶ。 |
デザイン | 家の雰囲気に合ったデザイン(和風、洋風など)を選ぶ。 |
体のことを考えた設計 | 手すり付き、立ち座りがしやすい高さなど、家族の状況に合わせて使いやすいものを選ぶ。 |
節水効果への期待
水不足への懸念から、家庭でできる水の節約に注目が集まっています。その中で、洗浄式便器は従来型に比べて水の使用量が少ないため、水道料金の節約に大きく貢献します。従来型の便器は一度に大量の水を流していましたが、洗浄式便器は少ない水量で効率よく洗い流せる仕組みになっているため、家計への負担軽減につながります。
また、地球規模で水不足が深刻化する中、家庭での水の節約は環境保護の観点からも重要です。日々の生活の中で私たちにできる水の節約の一つとして、洗浄式便器の導入は有効な手段と言えるでしょう。限られた資源を大切に使い、持続可能な社会を作るために、一人ひとりができることから取り組む必要があります。
さらに、洗浄式便器の導入費用を支援する自治体もあります。補助金制度を利用すれば、初期費用を抑えることができるため、導入を検討しやすくなります。各自治体の窓口やホームページで制度の内容を確認し、自分に合った支援制度がないか調べてみましょう。
洗浄式便器の節水効果を最大限に活かすには、トイレを使う回数や家族の人数に合わせた水量の調整が大切です。便器の種類によっては、大と小で水の量を切り替えられる機能も付いています。こまめな掃除や正しい使い方を心がけることで、さらに水の節約効果を高めることができます。
メリット | 詳細 |
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水道料金の節約 | 洗浄式便器は従来型に比べて水の使用量が少ないため、水道料金を節約できる。 |
家計への負担軽減 | 水道料金の節約により、家計への負担を軽減できる。 |
環境保護 | 地球規模の水不足対策に貢献し、環境保護につながる。 |
導入費用の支援 | 自治体によっては洗浄式便器の導入費用を支援する補助金制度がある。 |
節水効果の向上 | トイレの使用回数や家族の人数に合わせた水量調整、こまめな掃除、正しい使い方で節水効果を高められる。 |